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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 2, 2006
Vol. 354 No. 5

ORIGINAL ARTICLE

  • 内科 ICU における強化インスリン療法
    Intensive Insulin Therapy during Medical Intensive Care

    内科 ICU の患者を対象としたこの無作為化試験では,血糖値を正常化するためのインスリン注入と従来療法とを比較した.全体では,インスリン注入は障害発生率の低下に関連したが,死亡率の低下とは関連しなかった.一方,ICU に 3 日以上在室し,インスリン投与を受けた患者では,死亡率と障害発生率の相対リスクがともに低下したが,ICU の在室日数を予測することは不可能である.これらのデータを確認するために,さらに試験を行う必要がある.

  • 乳児ボツリヌス症に対するヒトボツリヌス免疫グロブリン
    Human Botulism Immune Globulin for Infant Botulism

    無作為化試験とそれに続く非盲検試験において,オーファンドラッグであるヒトボツリヌス免疫グロブリン静注薬(BIG-IV)は,乳児ボツリヌス症の治療において安全かつ有効であった.BIG-IV の使用により,平均入院期間,集中治療期間,人工換気の期間が短縮し,患者 1 人当りの入院費が減少した.有効性は,入院後 3 日以内に BIG-IV が投与された場合により大きかった.これらの結果は,乳児ボツリヌス症が疑われる乳児における,BIG-IV の迅速な使用を支持するものである.

  • 統合失調症に対するクロザピンとリスペリドンの併用
    Risperidone Augmentation of Clozapine in Schizophrenia

    統合失調症患者の治療には複数の抗精神病薬が用いられることが多いが,その効果は明らかにされていない.重度の統合失調症患者で,クロザピンへの反応が不十分な患者を対象とした 8 週間の無作為化対照試験において,クロザピンとリスペリドンの併用投与は,クロザピン単独投与に比べ,優れた症状抑制効果を示さなかった.今回の小規模な短期研究から得られた知見は,重度の統合失調症患者に対するクロザピン治療に,リスペリドンを追加することを支持するものではない.

DRUG THERAPY

  • 冠動脈ステント
    Coronary-Artery Stents

    現在,経皮的冠動脈インターベンションの 90~95%は,ステント,とくに薬剤溶出性ステントの留置であるが,既存のデータのほとんどは,何も塗布しない金属ステントの時代に得られたものである.この論文では,薬剤溶出性ステントの最近の進歩に重点をおき,冠動脈ステントの適応と生物学について概説している.

CURRENT CONCEPTS

  • PET による癌治療の評価
    PET to Assess Cancer Therapy

    陽電子放射断層撮影(PET)は,腫瘍の評価や潜在癌の検出,腫瘍の病期分類と再分類のための重要なツールとなっている.この総説では,頻度の高い癌を有する患者 10 例の画像を,補遺としてインターネットにのみ掲載している.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 経験的治療の誤り
    Empirically Incorrect

    46 歳のメキシコ人移民が,心窩部痛とコーヒー残渣様物質の嘔吐のため受診した.男性は疲労,倦怠感,黄疸を訴え,受診前の 2 ヵ月間で 20 ポンド(9.1 kg)体重が減少したという.暗色便,頭のふらつき,軽い息切れもみられたが,発熱,悪寒,寝汗はなかった.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 幹細胞から内胚葉へ
    From Stem Cell to Endoderm

    ヒト胚性幹細胞から完全な内胚葉細胞が発生した――この過程は,ヒト胚性幹細胞の 1 型糖尿病治療への利用可能性において,鍵となるものである.