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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 5, 2006
Vol. 355 No. 14

ORIGINAL ARTICLES

  • ラニビズマブと加齢黄斑変性
    Ranibizumab and Age-Related Macular Degeneration

    これまでの研究から,硝子体内の血管内皮増殖因子 A(VEGF-A)を標的にすることで,脈絡膜血管新生が抑制され,加齢黄斑変性を治療できることが示唆されている.ラニビズマブは VEGF-A のすべてのアイソフォームを中和する抗体であるが,この二重盲検プラセボ対照試験において,minimally classic 型および occult 型の加齢黄斑変性に対する治療効果を検討したところ,一部の患者で疾患の進行が抑制され,視力が改善した.

  • 加齢黄斑変性に対するラニビズマブとベルテポルフィンの比較
    Ranibizumab versus Verteporfin in Age-Related Macular Degeneration

    これまでの研究から,硝子体内の血管内皮増殖因子 A(VEGF-A)を標的にすることにより,血管新生が抑制され,加齢黄斑変性を治療できることが示唆されている.この二重盲検対照試験では,VEGF-A のすべてのアイソフォームを中和するラニビズマブと,ベルテポルフィンを用いた光線力学療法とを比較し,ラニビズマブのほうが,predominantly classic 型新生血管を伴う加齢黄斑変性の進行を遅らせるうえで優れていることが示された.

  • アレルギー性鼻炎に対するブタクサ Toll 様受容体 9 アゴニストワクチンによる免疫療法
    Immunotherapy with a Ragweed-Toll-Like Receptor 9 Agonist Vaccine for Allergic Rhinitis

    標準的な免疫療法では,少量のアレルゲンを注射して,アレルゲンの再曝露に対して臨床的に忍容できる状態にする.この試験では,ブタクサアレルゲンにオリゴヌクレオチドを結合させる手法を用いた免疫療法の検討が行われた.このワクチンでは鼻腔洗浄液中のアルブミン濃度(主要エンドポイント)は低下しなかったものの,一連の副次的エンドポイントには良好な効果が認められ,構造化されたより大規模な試験でさらに検討する価値があることが示された.

  • 染色体 5q 欠失を有する骨髄異形成症候群に対するレナリドミド
    Lenalidomide in the Myelodysplastic Syndrome with Chromosome 5q Deletion

    貧血は,染色体 5q 欠失を有する骨髄異形成症候群の主な特徴である.ほとんどの患者は輸血を必要とし,その結果として鉄過剰をきたす.この第 2 相試験では,レナリドミドによってほとんどの患者で輸血の必要性が減少し,2/3 の患者では輸血を完全に中止することができた.また,サリドマイドアナログであるこの薬剤により,多くの患者で染色体異常ならびに細胞学的異常が改善した.

CLINICAL PRACTICE

  • 髄膜炎菌性疾患の予防
    Prevention of Meningococcal Disease

    これまで健康であった 18 歳の大学新入生が,急な発熱と頭痛のため救急部を受診した.男性には倦怠感,発熱,低血圧がみられ,胸郭全体に点状出血が認められた.髄膜炎菌血症が疑われた(その後,血液培養で髄膜炎菌の血清群 C 陽性により診断が確定した).速やかな抗菌薬投与等の治療にもかかわらず,患者は急激な経過をたどり,症状発現から 12 時間後に死亡した.男性は髄膜炎菌ワクチン接種を受けておくべきであったのであろうか? そして,男性と密接な接触がある者や地域社会を守るためには,どのような策を講じるべきであろうか?

  • 加齢黄斑変性
    Age-Related Macular Degeneration

    この総説は,米国における失明の主要な原因について,そのメカニズムを論じている.

  • CLINICAL PROBLEM-SOLVING

    • 写し間違い
      Lost in Transcription

      多発性硬化症で,フォーリーカテーテルを長期間留置しており,尿道感染症の既往が複数回ある 55 歳の長期臥床の女性に,尿意切迫感と発熱が発現した.女性は,障害が進行したため,最近介護施設から高度看護施設へ移送された.臨床検査により汎血球減少が明らかになった.