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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 10, 2006
Vol. 355 No. 6

ORIGINAL ARTICLE

  • 脳卒中または一過性脳虚血発作後の高用量アトルバスタチン投与
    High-Dose Atorvastatin after Stroke or Transient Ischemic Attack

    脳卒中または一過性脳虚血発作を最近発症し,ベースライン時の LDL コレステロール値が 100~190 mg/dL(3~5 mmol/L)であった患者を対象としたこの 5 年間のプラセボ対照試験では,アトルバスタチン投与(80 mg/日)による非致死的または致死的な脳卒中の絶対減少率は 2.2%,重大な心血管イベントの絶対減少率は 3.5%であった.

  • 遺伝子発現に基づく乳癌予測因子の一致
    Concordance among Gene-Expression-Based Predictors for Breast Cancer

    現在,乳癌の予後予測の手段として,遺伝子発現に基づく手法が数多く発表されているが,これらの手法の一部は臨床医にも利用可能である.5 つのモデルを調べたこの研究では,用いた遺伝子群に重複がほとんどみられないにもかかわらず,5 つのうち 4 つで癌の分類が一致していた.

  • 病期 IA の非小細胞肺癌における予後の判定
    Determination of Prognosis in Stage IA Non-Small-Cell Lung Cancer

    この試験から,遺伝子発現に基づく予後予測因子から得られる情報は,従来の臨床的な予後予測因子から得られる情報よりも優れていることが明らかになった.この結果により,この予測因子を病期 IA の非小細胞肺癌患者の治療指針として使用できるかどうかを検討する,前向き試験の準備が整えられた.

  • 新生児期発症多臓器系炎症性疾患とインターロイキン-1 阻害
    Neonatal-Onset Multisystem Inflammatory Disease and Interleukin-1 Blockade

    新生児期に発症する多臓器系炎症性疾患は,発熱,蕁麻疹,無菌性髄膜炎,変形性関節症,聴力損失,精神遅滞を特徴とする疾患である.この疾患の患者において,インターロイキン-1 拮抗薬であるアナキンラを用いた治療により,臨床徴候ならびに放射線学的所見(中枢神経系所見を含む)が改善し,血清中の炎症マーカーが減少した.アナキンラ投与を中止すると数日内に疾患が再燃したが,投与再開により速やかに改善された.

CLINICAL PRACTICE

  • 骨パジェット病
    Paget's Disease of Bone

    69 歳の男性が右足痛の増強を訴えた.身体診察で,温感と右脛の前外側弯曲を認めた.血清アルカリホスファターゼ値は 260 U/L(正常値 38~126 U/L)であった.骨シンチグラフィでは,脛骨の変形部でのみ取り込み増強がみられた.この部位には,X 線上でパジェット病を示唆する変化が認められていた.男性の妹は,アルカリホスファターゼ値が 160 U/L で,左腸骨翼に限局する無症候性の骨パジェット病を有している.2 人の症例をどのように管理すべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • アムロジピン過量服用後の低血圧
    Hypotension after an Overdose of Amlodipine

    40 歳の女性が血圧低下のため当院救急部へ搬送されてきた.女性は 7 時間前に,自殺企図でアムロジピンのサンプル錠(10 mg)を 100 錠服用していた.最初に地域の病院の救急部へ運ばれたが,昇圧薬の投与にもかかわらず,血圧は 100/60 mmHg から 58/38 mmHg へ低下した.

SOUNDING BOARD

  • 医薬品承認審査の抜本的改革の提案
    A Proposal for Radical Changes in the Drug-Approval Process

    この“Sounding Board”で著者は,新薬の利用可能性が制限されることについて考えられる理由を調査し,この問題に対する 4 つの解決策を提案している.