The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 17, 2006
Vol. 355 No. 7

ORIGINAL ARTICLE

  • 黄色ブドウ球菌による菌血症と右心系心内膜炎に対するダプトマイシン投与
    Daptomycin for Bacteremia and Endocarditis Caused by Staphylococcus aureus

    黄色ブドウ球菌により菌血症や右心系心内膜炎を起した患者において,ダプトマイシンの投与は,標準的な抗菌治療(バンコマイシン投与または抗ブドウ球菌ペニシリン+低用量ゲンタマイシン投与)と比べて劣ってはいなかった.治療失敗を示す微生物学的証拠はダプトマイシン群でより多く認められたが,有害事象による治療失敗は標準治療群のほうが多かった.

  • 救急部の患者におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染
    Methicillin-Resistant S. aureus Infections among Patients in the Emergency Department

    市中病原体としてのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の急激な出現は,外来診療のあり方を変えるおそれがある.米国の 11 の都市にある救急部の調査員によるこの報告では,黄色ブドウ球菌は培養可能な皮膚・軟部組織感染の 76%で確認され,うち 59%は MRSA であることが示されている.

  • グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対するアレンドロン酸とアルファカルシドールの比較
    Alendronate or Alfacalcidol in Glucocorticoid-Induced Osteoporosis

    この臨床試験では,グルココルチコイドの投与を受けているリウマチ性疾患患者に対し,アレンドロン酸+アルファカルシドールのプラセボ,またはアルファカルシドール+アレンドロン酸のプラセボのいずれかを連日投与した.腰椎におけるグルココルチコイド誘発性骨量減少の予防には,アレンドロン酸のほうがアルファカルシドールよりも有効であった.

  • 早期産児の神経発達上の転帰を予測するための新生児 MRI
    Neonatal MRI to Predict Neurodevelopmental Outcomes in Preterm Infants

    この前向き試験では,超早期産児において,満期産に相当する時点で MRI で中等度~重度の白質異常がみられることは,修正年齢 2 歳の時点での神経発達上の障害に対する,有意な予測因子であった.これらの異常は,頭蓋内超音波検査所見など他の臨床因子で補正後も,重度の運動発達遅延や脳性麻痺を予測した.

SPECIAL ARTICLE

  • 米国の社会経済層全体に及ぶ障害の勾配
    Gradient of Disability across the U.S. Socioeconomic Spectrum

    55 歳以上の米国成人を対象としたこの大規模な調査では,身体の機能的制約は,広い収入層で,収入と負の相関を示した.機能的制約は,貧困ライン上の人でもっとも多くみられ,貧困ラインの 700%以上の人ではもっとも少なかった.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 関節リウマチに対する腫瘍壊死因子阻害薬
    Tumor Necrosis Factor Inhibitors for Rheumatoid Arthritis

    25 歳の女性が,メトトレキサートとスルファサラジンに抵抗性の関節リウマチを発症し,腫瘍壊死因子阻害薬による治療の可能性について評価を受けた.これらの薬剤は,他の治療法に反応を示さなかった一部の患者に対して有効であるが,感染リスクを増大させるうえ,長期的な有効性と安全性は確立されていない.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 有痛性の皮下結節を有する 41 歳の女性
    A 41-Year-Old Woman with Painful Subcutaneous Nodules

    41 歳の女性が,3 年間にわたり頭部,頸部,体幹に多発性有痛性皮下結節を有している.疼痛は安静時にみられ,結節の触診や動くことによって増強する.患者は間欠性の発熱および手足の腫脹を訴えている.診察で,触診により圧痛がみられる頸部と体幹の皮下結節が認められた.診断検査が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 先天性免疫応答の動員
    Mobilization of the Innate Immune Response

    クリオピリン遺伝子は,以前に周期熱症候群患者で変異が認められた遺伝子であるが,特定の細菌感染に対する先天性免疫応答,および痛風患者・偽痛風患者の関節で結晶性物質への曝露後に生じる炎症に対する先天性免疫応答において,決定的なものである.