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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 8, 2007
Vol. 356 No. 10

ORIGINAL ARTICLE

  • シロリムス溶出ステントとベアメタルステントを比較したデータのプール解析
    A Pooled Analysis of Data Comparing Sirolimus-Eluting Stents with Bare-Metal Stents

    シロリムス溶出ステントとベアメタルステントを比較した 4 件の無作為化試験に参加した患者を,プール解析に組み入れた.4 年の時点で,死亡,心筋梗塞,ステント血栓症の発生率に両群で有意差はみられなかった.サブグループ解析により,死亡率は,シロリムス溶出ステントを留置した糖尿病患者のほうが,ベアメタルステントを留置した糖尿病患者よりも高いことが示唆された.

  • シロリムス溶出冠動脈ステントとパクリタキセル溶出冠動脈ステントの安全性と有効性
    Safety and Efficacy of Sirolimus-and Paclitaxel-Eluting Coronary Stents

    シロリムス溶出ステントに関する 4 件の試験と,パクリタキセル溶出ステントに関する 5 件の試験のデータを用いて,薬剤溶出ステントとベアメタルステントの安全性と有効性を比較するプール解析を行った.1~4 年の期間中,ステント血栓症は,双方の薬剤溶出ステントでベアメタルステントより多く発生した.死亡と心筋梗塞の発生率は,2 つの薬剤溶出ステントとベアメタルステントとで差はなかった.

  • スウェーデンにおける薬剤溶出ステントとベアメタルステントの長期転帰の比較
    Long-Term Outcomes with Drug-Eluting Stents versus Bare-Metal Stents in Sweden

    冠動脈形成術を受けた患者に関するこのスウェーデンの大規模研究によると,薬剤溶出ステントではベアメタルステントと比べて死亡率が高くなった.死亡率(および死亡と心筋梗塞の複合)の上昇は,6 ヵ月以降に明白に認められた.著者らは,これらの所見はクロピドグレル療法の中止に関連するものと考えられるが,薬剤溶出ステントの長期的な安全性に対して疑念を生じさせるものであると示唆している.

  • 薬剤溶出ステントの無作為化臨床試験におけるステント血栓症
    Stent Thrombosis in Randomized Clinical Trials of Drug-Eluting Stents

    ステント血栓症は,冠動脈ステント留置に伴う重篤な合併症である.学術研究コンソーシアム(ARC)が作成した基準に従って再判定されたデータを用いた解析において,著者らは,シロリムス溶出ステントやパクリタキセル溶出ステントでは,ベアメタルステントと比較してステント血栓症のリスクは上昇しないことを明らかにした.しかし,ステント血栓症のリスクにおける小さな差異を検出する力は限られていた.

  • シロリムス溶出ステントとベアメタルステントを比較した 14 件の試験の解析
    Analysis of 14 Trials Comparing Sirolimus-Eluting Stents with Bare-Metal Stents

    無作為化試験 14 件のプール解析において,シロリムス溶出冠動脈ステントをベアメタルステントと比較した.死亡率や心筋梗塞の発生率に有意差はみられなかった.シロリムス溶出ステントにより,標的病変血行再建術の減少が早期にみられ,持続した.シロリムス溶出ステントによるステント血栓症の発生率は,ベアメタルステントと少なくとも同程度であった.

CLINICAL PRACTICE

  • 小児斜視
    Pediatric Strabismus

    健常な 3 歳の男児が,6 ヵ月にわたり左眼に斜視を呈したため受診した.眼の明らかな内方偏位は,最初は間欠的にみられたが,いまでは持続している.男児の右眼の視力は 20/20 であるが,左眼は 20/100 しかない.身体診察ではそのほかの点は正常であった.この男児をどのように治療すべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 糖尿病性腎症と治療困難な皮膚潰瘍を有する59 歳の女性
    A 59-Year-Old Woman with Diabetic Renal Disease and Nonhealing Skin Ulcers

    糖尿病性腎症を有する 59 歳の女性が,右下肢の治療困難な有痛性潰瘍で入院した.6 年前に発現した踵の潰瘍が,局所療法にもかかわらず持続し,抗菌薬治療に抵抗性を示す骨髄炎も発現した.入院の数ヵ月前,右臀部および右大腿部に新しく有痛性の潰瘍が発現した.治療処置が行われた.

SOUNDING BOARD

  • 死体ドナーおよび生体ドナーの要請が提起する倫理的問題
    Ethical Challenges Posed by the Solicitation of Deceased and Living Organ Donors

    移植可能な臓器の不足のため,レシピエントとなる可能性のある人の中には,真剣に自分自身でドナーを探そうとしている人もいる.この論文では,ドナーの要請に伴う医学的問題,倫理的問題,および公共政策にかかわる問題を再検討し,考えられる解決策を提示している.