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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 15, 2007
Vol. 356 No. 11

ORIGINAL ARTICLE

  • 平日の心筋梗塞と週末の心筋梗塞
    Myocardial Infarction on a Weekday or Weekend

    この研究により,心筋梗塞患者が週末に入院した場合,平日に入院した場合よりも死亡率が有意に高いことが示された.週末に死亡率が高くなるのは,週末の侵襲的手技の施行率が低いことが原因の少なくとも一部であると説明されている.この知見は,病院運営に重要な意義をもつ.

  • 新たに診断された骨髄腫に対する同種移植と自家移植の比較
    Allografting as Compared with Autografting for Newly Diagnosed Myeloma

    新たに骨髄腫と診断された 65 歳以下の患者を対象に骨髄移植の有効性を検討したこの試験では,同胞のいる患者のみが登録された.同胞と患者すべてに HLA タイピングを行った.HLA が一致する適格な同胞のいる患者には自家移植 ― 同種移植の治療プロトコールを実施し,一致する同胞のいない患者には自家移植を 2 回行った.同胞から HLA が一致する幹細胞を移植した患者は,自家幹細胞移植を 2 回行った患者に比べて生存率が改善した.

  • 水痘に対するワクチン免疫の経時的消失
    Loss of Vaccine-Induced Immunity to Varicella over Time

    被験者 350,000 例の指標集団に対して能動的サーベイランスを行い,水痘の breakthrough 症例の重症度と発生率が,ワクチン接種後の時間経過とともに上昇するかどうかを明らかにした.breakthrough 症例の年間発生率は,ワクチン接種後の時間経過とともに有意に上昇し,ワクチン接種後 1 年以内には 1.6 例/1,000 人・年であったのに対し,5 年目には 9.0 例/1,000 人・年,9 年目には 58.2 例/1,000 人・年となった.現在,2 回目の水痘ワクチン接種が推奨されている.

SPECIAL ARTICLE

  • メディケアにおける医療提供パターンと Pay for Performance に対するその意義
    Care Patterns in Medicare and Implications for Pay for Performance

    メディケアで提唱されている pay for performance のイニシアティブは,請求データに基づいて,患者への医療に対して主要責任を負う 1 人の医師または 1 つの診療所を同定するというものである.2000~02 年のメディケア請求データを用いて,その患者がもっとも多く受診した医師またはプライマリケア医に患者を割り当てた.研究者らは,患者が一般的には複数の異なる医師を受診していること,治療が割り当てられた医師への受診は毎年 1/3 未満であることを明らかにした.これらの知見は,医療の質を改善するために現在とられている pay for performance というアプローチの可能性に対して,疑問を投げかけるものである.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 心不全 ― 燃料切れのエンジン
    The Failing Heart ― An Engine Out of Fuel

    心臓のエネルギー代謝異常は,慢性心不全の重要な原因となる.この総説では,心臓のエネルギー代謝における主要イベントを簡潔にまとめ,心不全におけるこれら代謝過程の異常について検討し,代謝障害の改善を要する将来の心不全治療を展望している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 胸痛発症後に心停止を起した 48 歳の男性
    A 48-Year-Old Man with Chest Pain Followed by Cardiac Arrest

    48 歳の男性が,胸痛のため当院へ入院した.心電図検査で広範囲に ST 上昇が認められたが,心エコー検査は正常であった.胸痛発症から 13 時間後,心室性頻拍に伴い心停止が起った.患者は蘇生に成功し,入院 4 日目に診断検査の結果が得られた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 拡張・縮小するヒトゲノム
    The Expanding and Contracting Human Genome

    ヒトゲノムでは,非常に多くの拡張と縮小が起っている.これらは遺伝子量に影響を与え,さらには疾患に対する感受性にも影響する可能性がある.