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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
February 22, 2007
Vol. 356 No. 8
ORIGINAL ARTICLE
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サルメテロール,プロピオン酸フルチカゾン,および COPD における生
Salmeterol and Fluticasone Propionate and Survival in COPD慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者 6,000 人以上を対象としたこの試験では,サルメテロールとフルチカゾン両剤,サルメテロール単剤,フルチカゾン単剤,プラセボのいずれかを吸入器により投与する治療の,全死因死亡率に対する効果を比較した.3 年後,死亡率において 2.6 パーセントポイントの減少が示されたが,この数値は事前に規定した試験の目標には達しなかった.併用レジメンによる治療を受けた患者では,臨床転帰が改善した.
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単純ヘルペスウイルス抑制療法による HIV-1 RNA 濃度の低下
Reduction of HIV-1 RNA Levels with Therapy to Suppress Herpes Simplex VirusHIV-1 感染女性が単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2)に重感染すると,生殖器からの HIV-1 RNA の放出量が増加する.この無作為化二重盲検プラセボ対照試験では,HIV-1 と HSV-2 に二重感染したブルキナファソの女性において,バラシクロビルを用いた HSV-2 の抑制により,生殖器中の HIV-1 RNA 濃度と血漿中の平均 HIV-1 RNA 濃度が低下した.
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肺癌における RRM1 と ERCC1
RRM1 and ERCC1 in Lung Cancer早期非小細胞肺癌に関するこの試験では,腫瘍中の RRM1 発現量が高いと,RRM1 発現量が低い場合よりも無病生存期間が延長することが示された.もう 1 つの腫瘍蛋白である ERCC1 の発現量が高い場合も,予後は良好であった.手術の利益が大きかったのは,腫瘍中の RRM1 と ERCC1 の両方の発現量が高い患者(30%)に限られた.
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ミトコンドリア変異が原因の難聴と毛髪異常
Deafness and Pili Torti Caused by Mitochondrial Mutation感音性難聴と毛髪異常を特徴とする常染色体劣性疾患である Bjornstad 症候群は,ミトコンドリア内の複合体 III の形成に必要な蛋白をコードする BCS1L 遺伝子の変異によって引き起されることが示された.耳と毛髪組織は,ミトコンドリア機能に対して高い感受性をもっている.
CLINICAL PRACTICE
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糖尿病性胃不全麻痺
Diabetic Gastroparesis20 年間にわたり 1 型糖尿病,背景網膜症,末梢感覚神経障害,腎症の既往がある 36 歳の男性に,数ヵ月間続く悪心と嘔吐が発現した.身体診察(食後 1 時間で実施)では,血圧が臥床時は 130/80 mmHg,立位時は 110/60 mmHg であった.腹部の圧痛はなかった.上腹部の膨満がみられたが,上腹部を振動させてもスプラッシュ音は聴取されなかった.この患者をどのように評価し,管理すべきであろうか?
MEDICAL PROGRESS
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冠動脈微小血管機能異常
Coronary Microvascular Dysfunctionこの総説では,冠動脈微小血管機能異常の病因と管理について議論している.臨床管理において考慮すべき因子は,機能異常の原因と,それが医原性かどうか,閉塞性冠動脈疾患の有無,心筋症の有無である.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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精巣に腫瘤を有する 28 歳の男性
A 28-Year-Old Man with a Mass in the Testis28 歳の男性が,肥大する精巣腫瘤の管理について相談するため,当院に紹介された.診察の 10 日前,右睾丸は圧痛を生じ,急速に腫大し始めた.抗菌薬治療により圧痛は軽減したが,腫瘤は残っていた.診察では,睾丸内に 4 cm 大の腫瘤を触知した.超音波検査により,複合型の精巣内腫瘤が見つかった.
SOUNDING BOARD
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臨床実習の新モデル
New Models of Clinical Clerkships臨床教育の伝統的な方法には,多様な臨床状況における一連のローテーションが含まれている.医学教育シリーズを締めくくるこの論文では,医学教育課程の長期的な統合についてのエビデンスと議論を紹介している.