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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 1, 2007
Vol. 356 No. 9

ORIGINAL ARTICLE

  • 遺伝子組換え E 型肝炎ワクチンの安全性と有効性
    Safety and Efficacy of a Recombinant Hepatitis E Vaccine

    世界の人口の 1/3 が E 型肝炎ウイルス(HEV)に感染していることが,血清陽性率に関する調査から示唆されている.とくに妊娠中の感染は,高い死亡率と合併症発生率に関連している.HEV 感染の治療に利用できるワクチンや特異的な治療法はいまのところ見つかっていない.ネパールにおける 2,000 例を対象としたこの二重盲検プラセボ対照試験では,新規の遺伝子組換え HEV ワクチンを 3 回接種することにより,95.5%の有効性が示された.

  • バンコマイシン誘発性血小板減少症
    Vancomycin-Induced Thrombocytopenia

    この報告では,バンコマイシン投与中に血小板減少症を発症した患者 29 例の血清学的・臨床的所見について述べている.これらの患者では,バンコマイシン依存性の抗血小板抗体が検出された.血小板数は,この抗菌薬の投与中止後数日内に正常値まで回復した.

  • 歯周炎治療と血管内皮機能
    Treatment of Periodontitis and Endothelial Function

    疫学データから,歯周病と心血管障害が関連する可能性が示唆されている.この研究では,集中的な歯周治療を受けた重度の歯周炎患者では,標準的な地域ベースの治療を受けた患者と比べて,血管内皮機能の指標である血流依存性血管拡張反応が改善した.これらの所見から,重度の歯周炎は血管内皮機能障害を促進する可能性が示唆される.

SPECIAL ARTICLE

  • 地域医療センターにおける慢性疾患管理の改善
    Improving the Management of Chronic Disease at Community Health Centers

    医療格差に関する共同研究は,少数民族・少数人種の患者や保険未加入者が多数治療を受けている地域医療センターにおいて,慢性疾患の患者の治療を改善することを目的としてデザインされた.この研究では,この共同研究の有効性を評価した.共同研究により,糖尿病と喘息の治療は改善したが,高血圧の治療は改善しなかった.糖化ヘモグロビン値のモニタリングなど,多くの治療過程が有意に改善したものの,糖化ヘモグロビン値のコントロールなどの臨床転帰にはいずれも改善がみられなかった.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 心房細動に対するアミオダロン
    Amiodarone for Atrial Fibrillation

    冠動脈疾患,高血圧症,腎不全を有する 73 歳の男性が,心拍数のコントロールは良好であるにもかかわらず,症候性の心房細動を繰り返すため受診した.リズムコントロールのため,アミオダロンが勧められた.アミオダロンはもっとも有効な抗不整脈薬の 1 つであるが,使用することで重篤な毒性作用が生じる可能性がある.この薬剤投与は患者に適切であろうか?

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 「森の中へ」
    Into the Woods

    79 歳の女性が,1 ヵ月にわたる呼吸困難と,黄色痰を伴う咳のため受診した.胸痛,喀血,寝汗,発熱はないという.女性は,巨細胞性動脈炎のため 40 mg/日の経口プレドニゾン投与を受けていた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • リポソームの腫瘍への送達能を利用する
    Leveraging the Delivery of Liposomes to Tumors

    細菌蛋白質は,リポソームによって運搬されたドキソルビシンの抗腫瘍作用を増強させる.