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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 6, 2007
Vol. 357 No. 10

ORIGINAL ARTICLE

  • 重症患者におけるエポエチン α
    Epoetin Alfa in Critically Ill Patients

    この無作為化プラセボ対照試験において,研究者らは,集中治療室への入院後 48~96 時間が経過した内科患者,外科患者,外傷患者 1,460 例に,エポエチン α またはプラセボを投与した.エポエチン α 療法で赤血球輸血を受けた患者の割合(主要評価項目)が減少することはなかったが,外傷患者の死亡率は低下したと考えられる.しかし,エポエチン α 療法は血栓イベントの発生率の上昇とも関連していた.

  • 2 つの自己免疫疾患に共通する遺伝子変異
    Genetic Variant Common to Two Autoimmune Diseases

    関節リウマチと全身性エリテマトーデス(SLE)に対する感受性は,染色体 2q 上の領域と関連している.関節リウマチ患者および SLE 患者においてこの遺伝子座の精密マッピングを行うことで,STAT4 遺伝子の単一変異型との関連性が明らかになる.この単一変異型は,サイトカインにより活性化される転写因子をコードしている.

  • 心房細動と心房粗動において洞調律を維持するためのドロネダロン
    Dronedarone for Maintenance of Sinus Rhythm in Atrial Fibrillation or Flutter

    2 つの多施設共同無作為化試験で,心房細動患者における洞調律の維持に関して,抗不整脈薬であるドロネダロンとプラセボを比較した.2 試験からプールしたデータによると,心房細動再発までの期間の中央値は,ドロネダロン群で 116 日,プラセボ群で 53 日であった.

  • 心房細動のリスク低減に対するペーシング戦略
    A Pacing Strategy for Reducing the Risk of Atrial Fibrillation

    この報告は,洞結節障害による症候性徐脈患者における心房細動のリスクを低減させるために特別にプログラムされたペースメーカーについて述べている.そのペーシングアルゴリズムは,心室の非同期化を低減するため,心室ペーシングを最少化するようにデザインされている.このアプローチは心房細動のリスク低減に成功し,標準的ペーシングの代替法として臨床的に有用である.

CLINICAL PRACTICE

  • 高トリグリセリド血症
    Hypertriglyceridemia

    45 歳の健常男性に,定期健康診断で高トリグリセリド血症が見つかった.男性に糖尿病はなく,投薬も受けていない.男性の父親は 55 歳で交通事故のため死亡したが,母親は 67 歳で健在であり,2 人の健康な兄がいる.男性の体格指数(BMI)は 28,空腹時トリグリセリド値は 400 mg/dL,総コレステロール値は 230 mg/dL,LDL コレステロール値は 120 mg/dL,HDL コレステロール値は 30 mg/dL である.この症例をどのように評価し,管理すべきであろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • 顧みられない熱帯病の管理
    Control of Neglected Tropical Diseases

    マラリア,結核,ヒト免疫不全ウイルス感染以外に,複数の感染症が高い罹患率・死亡率と関連している.とくに,13 種類の熱帯病が数十億人に感染し,中でも貧困層の人々に失明や心不全といった障害をもたらしている.この総説では,これらの疾患の世界的な管理へのアプローチについて論じている.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 時宜を得た処置
    A Stitch in Time

    冠動脈疾患と末梢血管疾患の既往のある 64 歳の男性が,数ヵ月にわたる発熱,悪寒,疲労のため入院した.これらの症状は,10 ヵ月前に,経皮的冠動脈インターベンションとして左冠動脈前下行枝のステント留置を受けたあとに始まった.シプロフロキサシンを 5 日間投与したところ症状は一時的に改善したが,投与を中止した 1 週間後に再発した.

SOUNDING BOARD

  • 米国における生物医学的発見の原動力を維持する
    Sustaining the Engine of U.S. Biomedical Discovery

    大学医療センターでは,米国国立衛生研究所(NIH)が出資する研究の大多数が実施される.この 10 年で,NIH の予算が倍増したのに伴って医療センターは研究事業を拡大してきたが,現在は資金提供が減少しているため財源不足に直面している.この Sounding Board では,NIH のより確固とした長期的支援について論じている.