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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 13, 2007
Vol. 357 No. 11

ORIGINAL ARTICLE

  • 冠動脈疾患の男性におけるディーゼル排気吸入
    Diesel-Exhaust Inhalation in Men with Coronary Disease

    冠動脈疾患のある男性において,希釈ディーゼル排気への曝露後,運動に誘発される心筋虚血が増加し,線溶能が低下した.報告されたデータは,交通による大気汚染が冠動脈疾患患者に及ぼす有害な影響に関して,考えられる機序を示唆している.

  • AL アミロイドーシスに対する強化療法と従来の療法の比較
    Intensive versus Conventional Treatment in AL Amyloidosis

    免疫グロブリン軽鎖(AL)アミロイドーシスの治療には,骨髄破壊的用量のメルファランと自家造血幹細胞移植の併用療法が用いられているが,その治療効果は立証されていない.今回の無作為化試験では,メルファランの大量投与レジメンと,標準用量のメルファラン+大量デキサメタゾンの併用投与とを比較した.強化療法は,標準用量のメルファランによる従来の治療法と比較して,生存上の優位性を示さなかった.

  • 静脈血栓塞栓症に対するイドラパリナックスと標準療法の比較
    Idraparinux versus Standard Therapy for Venous Thromboembolic Disease

    深部静脈血栓症の治療に関する試験(DVT 試験)と肺塞栓症の治療に関する試験(PE 試験)の 2 つの無作為化試験において,長時間作用型の第 X 因子阻害薬であるイドラパリナックスと標準的な抗血栓療法を比較した.DVT 試験では,イドラパリナックスは標準療法と比べて劣ってはいなかったが,PE 試験では,イドラパリナックスは標準療法よりも有効性が低かった.

  • 深部静脈血栓症や肺塞栓症に対するイドラパリナックスの予防投与の延長
    Extended Prophylaxis of Deep Venous Thrombosis or Pulmonary Embolism with Idraparinux

    特発性静脈血栓塞栓症や肺塞栓症の患者では,静脈血栓塞栓症の再発リスクが高いことが特定の患者に対して血栓予防を延長することの根拠となっている.最初に抗凝固薬を用いて 6 ヵ月間治療を行ったあと,イドラパリナックスの予防投与を 6 ヵ月間行ったところ,血栓塞栓症の再発予防に有効であったが,臨床的に意義のある重大な出血エピソードの増加をもたらした.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • ARDS における低 1 回換気量
    Low-Tidal-Volume Ventilation in ARDS

    55 歳の男性が重度の市中肺炎で入院し,急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症した.患者には気管内挿管と人工換気が必要である.ある集中治療専門医が,低 1 回換気量を勧めている.この戦略は,人工換気による肺損傷のリスクを低下させ,ARDS 患者に対して通常の人工換気よりも高い生存率をもたらす可能性がある.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 心筋再灌流障害
    Myocardial Reperfusion Injury

    致死的な再灌流障害は,虚血エピソード後の冠動脈の血流回復によって引き起こされる奇異性の心筋障害である.この総説では,この障害の機序,障害に対して心臓を保護する試み,そして経皮的冠動脈インターベンション施行時の心保護に有望とされる新規アプローチに焦点を当てる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 失神を起こした 68 歳の男性
    A 68-Year-Old Man with Syncope

    68 歳の男性が,失神エピソードのあとに不全片麻痺と精神の変調をきたしたため入院した.心電図で前壁誘導・側壁誘導における ST 上昇が認められ,脳 MRI ですべての血管分布に関与する梗塞が見つかった.経胸壁心エコー検査では,左室の運動低下と,左心房に可動性の影が認められた.血管造影で,左冠動脈前下行枝,左右の腎動脈,上腸間膜動脈の閉塞が明らかになった.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • プリオン,プロテアソーム,狂牛病について
    On Prions, Proteasomes, and Mad Cows

    最近の研究により,「狂牛病」を引き起こす毒性のあるプリオン蛋白は,プロテアソームの機能を抑制することが示された.