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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 16, 2007
Vol. 357 No. 7

ORIGINAL ARTICLE

  • 睡眠時周期性四肢運動の遺伝的危険因子
    A Genetic Risk Factor for Periodic Limb Movements in Sleep

    アイスランドおよび米国の周期性四肢運動を伴う下肢静止不能症候群患者を対象とした遺伝子解析により,組み合わせた患者集団について約 50%の人口寄与危険度を有する,遺伝的感受性の変異が示唆された.

  • 薬剤中絶とその後の妊娠結果
    Medical Abortion and Subsequent Pregnancy Outcomes

    妊娠第 1 期の外科的中絶はその後の妊娠における有害転帰の発生リスクの増加と関連しないことが研究により示されているが,薬剤による中絶後の妊娠結果についてはほとんど明らかにされていない.デンマークの全国登録データを用いたこの研究では,薬剤中絶と外科的中絶を比較し,薬剤中絶が自然流産,子宮外妊娠,早期産,低出生体重児出産のリスクの増加とは関連しないことが示された.

  • 人工股関節および人工膝関節感染症の診断法の改善
    Improved Diagnosis of Infections of Prosthetic Hips and Knees

    人工関節(股関節や膝関節)の感染症において,病原微生物を同定するための現在の方法は依然として感度が低い.人工関節置換術 331 件を対象としたこの研究では,病原微生物の同定に関して,抜去した人工関節に超音波処理を行う新たな方法は,従来の培養法よりも感度が高いことが明らかになった.

  • 進展型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射
    Prophylactic Cranial Irradiation in Extensive Small-Cell Lung Cancer

    症候性脳転移は,小細胞肺癌において臨床的に重大な問題である.この研究では,化学療法に反応した小細胞肺癌患者を対象に,予防的全脳照射と経過観察を比較した.予防的放射線照射に伴い,症候性脳転移のリスクが減少し,全生存期間が延長した.

SPECIAL ARTICLE

  • 処方薬広告の 10 年
    A Decade of Prescription-Drug Advertising

    製薬企業による消費者向け直接広告に関するこの研究では,1996~2005 年までに支出が 330%増加したことを報告している.このような広告キャンペーンは,米国食品医薬品局(FDA)が薬剤を承認してから 1 年以内に開始されることが多かった.FDA の承認後最初の 1 年間はこのような広告を禁止するよう,規制の変更を提案する専門家もいる.これらのデータから,このような政策変更はこの業界の宣伝活動に大きな変化をもたらすであろうことが示唆される.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 乾癬に対するソラレン長波長紫外線療法
    Psoralen and Ultraviolet A Light Therapy for Psoriasis

    52 歳の乾癬患者が,皮膚症状に対する治療を求めている.ソラレン長波長紫外線(PUVA)による治療が推奨されている.PUVA は 1970 年代以降乾癬の治療に用いられているが,治療を行わなかった場合との比較や,ほかの治療法との比較を行った無作為化試験や臨床試験はほとんどない.PUVA 療法は,皮膚癌と黒色腫の両方のリスクを増加させる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 症例 25-2007:発熱,嚥下痛,体重減少,および発疹を呈する 60 歳の男性
    Case 25-2007: A 60-Year-Old Man with Fever, Odynophagia, Weight Loss, and Rash

    60 歳の男性が,疲労感と体重減少が 5 ヵ月のあいだ続き,最近になって関節痛,嚥下痛,発疹,発熱がみられたため入院した.診察では,頬と胸の上部および背中に発疹が認められた.頸部,腋窩,鼠径部に触知可能なリンパ節腫脹が見つかった.画像検査では,局所的な肺硬化と,胸郭内および後腹膜のリンパ節腫脹が確認された.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 接着性侵入性大腸菌とクローン病
    Adherent Invasive Escherichia coli and Crohn's Disease

    侵入性大腸菌は,クローン病患者において,腸細胞に侵入する前に付着する.最近の研究から,この接着を媒介するものとして,癌胎児性抗原に関連する細胞接着分子 6(CEACAM6)が示唆されている.