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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 24, 2008
Vol. 358 No. 4
ORIGINAL ARTICLES
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薬剤溶出性ステントと CABG の比較
Drug-Eluting Stents vs. CABGニューヨーク州におけるこの登録研究では,18 ヵ月の追跡調査期間において,薬剤溶出性ステントまたは冠動脈バイパス術(CABG)による治療を受けた多枝冠動脈疾患患者の転帰を比較した.CABG 施行後の死亡率,死亡または心筋梗塞の発生率,血行再建術の再施行率は,薬剤溶出性ステントによる治療と比較して,一貫して低かった.
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ベアメタルステントと薬剤溶出性ステントの比較
Comparison of Bare-Metal and Drug-Eluting Stents適応外で冠動脈ステントの留置を受けた大規模登録の患者において,ベアメタルステント留置を受けた患者と薬剤溶出性ステント留置を受けた患者とで,1 年の時点の死亡率および心筋梗塞の発生率に差は認められなかった.薬剤溶出性ステント群では,血行再建術の必要性が低下した.
BRIEF REPORT
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維持免疫抑制療法を行わない HLA 不適合の腎移植
HLA-Mismatched Renal Transplantation without Maintenance Immunosuppression末期腎不全患者 5 例が,HLA 不適合の生体血縁ドナーから骨髄と腎臓の移植を受けた.全例に一過性の造血キメリズムがみられた.1 例には不可逆性の液性拒絶反応が認められた.残り 4 例のレシピエントでは 9~14 ヵ月後に免疫抑制療法が中止され,腎機能はその後安定している.
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腎移植および造血細胞移植後の免疫寛容とキメリズム
Tolerance and Chimerism after Renal and Hematopoietic-Cell TransplantationHLA が一致する兄弟から腎移植を受けた患者が,その後同じドナーから CD34+造血幹細胞の輸注を受けた.移植腎片に対する明らかな免疫寛容状態が認められ,すべての免疫抑制療法を 6 ヵ月以内に中止することができた.
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心停止ドナーから肝移植を受けたレシピエントにおけるキメリズムと免疫寛容
Chimerism and Tolerance in a Recipient of a Deceased-Donor Liver Transplant心停止後の男性ドナーから肝移植を受けた 9 歳の女児で,完全な造血キメリズムと移植肝への免疫寛容が成立した.免疫寛容が成立する以前に重度の溶血反応がみられた期間があったが,これは標準治療には反応しない不完全なキメリズムを反映するものであった.すべての免疫抑制療法を段階的に中止すると,溶血反応は消退した.
SPECIAL ARTICLE
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医療費の一部自己負担とマンモグラフィ
Cost Sharing and Mammography2001~04 年にメディケアのマネジドケアに加入していた 65~69 歳の女性を対象としたこの研究によると,医療プランが患者に費用の一部自己負担を課した場合,加入者のマンモグラフィ受診率は低くなった.
CLINICAL PRACTICE
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クループ
Croupそれまでは健康であった 2 歳の女児が,午後 11 時にクループ様症状を発現した.2 時間後,女児は犬吠性咳嗽と興奮時の吸気性喘鳴のため,救急部を受診した.体温 36.1℃,呼吸数 20 回/分,心拍数 151 回/分,酸素飽和度は室内気で 94%であった.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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皮膚基底細胞癌と顎嚢胞を有する女性
A Woman with Cutaneous Basal-Cell Carcinomas and Cysts of the Jaws80 歳の女性が,疼痛を伴う頭皮の潰瘍病変のため皮膚科を受診した.基底細胞癌は,女性が 34 歳のときにはじめて背中に発現し,体の多くの部位,とくに頭皮に広がった.切除と移植が数回行われたが,病変は再発した.
SPECIAL REPORT
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2008 年大統領予備選挙における医療問題
Health Care in the 2008 Presidential Primaries有権者の意見に関するこの報告によると,回答者は,2008 年大統領予備選挙における重要な論点として医療問題をあげていた.民主党支持の有権者は医療制度への不満を訴え,保険未加入者に対して保険適用を拡大する政府の取組みに賛成であった.共和党支持の有権者の不満はより小さく,政府がさらに医療問題に関与することにあまり賛成ではなかった.