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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 18, 2008
Vol. 359 No. 12

ORIGINAL ARTICLE

  • CT コロノグラフィーにおける大きな腺腫と癌の検出精度
    Accuracy of CT Colonography for Detection of Large Adenomas and Cancers

    この CT コロノグラフィー(CTC)と光学式大腸内視鏡検査の比較は,15 施設において,年齢が 50 歳以上で無症状の参加者 2,600 例を対象に行われた.光学式大腸内視鏡検査で検出された大きな結腸直腸の腺腫と腺癌のうち,90%は CTC でも検出され,10%は CTC では検出されなかった.

  • 大腸内視鏡検査での陰性所見後における結腸直腸腫瘍形成の 5 年リスク
    Five-Year Risk of Colorectal Neoplasia after Negative Colonoscopic Examination

    ベースラインの大腸内視鏡スクリーニングで腺腫や癌の認められなかった被験者を対象としたこの研究において,5 年後に再スクリーニングを受けた被験者のうち,進行腺腫が検出されたのは 1.3%のみであった.これらの結果から,大腸内視鏡所見が正常であり,平均的なリスクを有する患者では,再スクリーニングまでの間隔は 5 年以上であることが支持される.

  • 脳卒中の再発と心血管イベントの防止に対するテルミサルタン
    Telmisartan to Prevent Recurrent Stroke and Cardiovascular Events

    多施設共同試験で,虚血性脳卒中を最近発症した 20,332 例を,テルミサルタン群とプラセボ群に無作為に割り付けた.全例が,試験担当医師の判断により血圧管理のための薬剤投与も受けた.平均 2.5 年の追跡期間で,脳卒中の再発率と主要心血管イベントの発生率に,両群間で有意差は認められなかった.

  • 脳卒中の再発に対するアスピリン+徐放性ジピリダモールとクロピドグレルの比較
    Aspirin and Extended-Release Dipyridamole versus Clopidogrel for Recurrent Stroke

    この大規模臨床試験では,脳卒中の再発予防において,アスピリン+徐放性ジピリダモールが,クロピドグレルと同程度の有効性をもつことが明らかになった.しかし,アスピリン+徐放性ジピリダモールを投与した患者では,頭蓋内出血などの出血が多く発生した.この結果は,二次的脳卒中予防のための治療指針として役立つであろう.

CLINICAL PRACTICE

  • 食物アレルギー
    Food Allergy

    3 歳の男児が,チョコレートムースを食べたあとに発現した蕁麻疹と喘鳴のため入院した.生後 18 ヵ月のとき,卵が入ったケーキミックスに手を入れたあとに接触蕁麻疹を発症したことがあるという.男児には慢性鼻炎,夜間の咳嗽,重度の湿疹の既往もあり,過去に喘鳴を繰り返し入院したこともある.この男児をどのように評価し,治療すべきであろうか?

MECHANISMS OF DISEASE

  • 血小板,点状出血,および血管壁の維持
    Platelets, Petechiae, and Preservation of the Vascular Wall

    この総説は,血小板と内皮細胞の機能的接触に関するものであり,血小板が放出する血管新生促進性のサイトカインと成長因子による血管の完全性の維持に重点をおいている.これらの分子は内皮細胞表面の受容体と結合し,それによって血管内皮細胞カドヘリン複合体を安定させる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 体重減少と腹痛を呈する男性
    A Man with Weight Loss and Abdominal Pain

    19 歳の男性が,前日に発症した急性腹痛のため当院に入院した.画像検査により結腸と小腸の拡張が明らかとなったが,閉塞,遊離ガスは認められなかった.輸液と緩下剤を投与したところ,疼痛は消散した.男性は 14 歳のときから神経性食欲不振症であり,最近体重が数 kg 減少していた.男性は精神科の病棟に入院し,治療計画が立てられた.