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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 27, 2008
Vol. 359 No. 22

ORIGINAL ARTICLE

  • 大細胞型 B 細胞リンパ腫における間質遺伝子発現特性
    Stromal Gene Signatures in Large-B-Cell Lymphomas

    この研究では,間質細胞 RNA のマイクロアレイ解析により,細胞外マトリックス沈着と単球浸潤に相関する特性と,腫瘍血管密度を反映する特性が明らかにされた.微小環境における免疫細胞,線維形成,血管新生は,これらリンパ腫の性質に強い影響を与えている.

  • 64 列 CT による診断的冠動脈造影
    Diagnostic Coronary Angiography by 64-Row CT

    多国間試験において,著者らは 64 列マルチスライス CT を用いた冠動脈造影の診断能を評価した.この造影法により閉塞性冠動脈病変は正確に同定されたが,造影剤を用いる従来の冠動脈造影の代替法として用いるには,陽性・陰性適中率が不十分であった.

  • 言語障害との遺伝的関連
    Genetic Association with Language Impairment

    この研究では,CNTNAP2 の変異が,特異的言語発達障害の行動指標である無意味語反復能力の低下と関連することが示されている.自閉症も CNTNAP2 における同様の変異のいくつかと関連していることから,特異的言語発達障害と自閉症には,共通の感受性因子があることが示唆されている.

CLINICAL PRACTICE

  • 原発性網膜剥離
    Primary Retinal Detachment

    57 歳の男性が,右眼の閃光に気付き,2 日後には視界をわずかに妨げる黒っぽい浮遊物の塊が生じた.翌週には右眼の鼻側視野が次第に欠け,ついには中心視力が著しく低下したため急いで眼科を受診した.散瞳眼底検査を行ったところ,黄斑を含む耳側網膜剥離が認められた.この症例をどのように管理すべきであろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • 慢性閉塞性肺疾患の病因と経過における感染
    Infection in the Pathogenesis and Course of Chronic Obstructive Pulmonary Disease

    宿主と病原体の相互作用に関する,分子学,細胞学,免疫学の新たな技術を用いた研究から,慢性閉塞性肺疾患(COPD)と感染とのかかわりが再検討されている.現在では,感染が COPD の発症機序と臨床経過に重大な役割を果たしているというエビデンスが数多く存在する.COPD は,感染と炎症の悪循環により悪化すると考えられている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 下垂体腫瘍と頭蓋骨の異常を有する 17 歳の男児
    A 17-Year-Old Boy with a Pituitary Tumor and Skull Abnormalities

    男児が 12 歳のときに頭痛が発現し,次第に悪化していった.頭痛に伴い,進行性の視力低下,気分変調,学業成績の低下,疲労,寒冷不耐性,体重増加がみられた.診察により,両耳側半盲,視力低下,右手のホフマン徴候陽性,胸部・顔面に体毛がみられないこと,軽度の肥満が明らかになった.MRI により,トルコ鞍部と鞍上部に嚢胞性病変,頭蓋底に不均一な破壊性骨病変の存在を認めた.診断手技が行われた.

HEALTH POLICY REPORT

  • メディケアの歴史について再考する
    Revisiting the Medicare Story

    Blumenthal と Morone は,最近公開された大統領執務室での会話を録音したテープを検討した結果,リンドン・ジョンソン大統領は,1965 年のメディケアとメディケイドの成立に,歴史学者が報告してきた以上に大きな役割を果たしたと結論付けている.両氏は,歴史の見直しから,次期大統領が大規模な医療制度改革を成功させるためには,強い遂行意欲と迅速な行動が求められると考えている.