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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 11, 2008
Vol. 359 No. 24

ORIGINAL ARTICLE

  • 生後 5~17 ヵ月の小児におけるマラリアワクチン RTS,S/AS01E の有効性
    Efficacy of RTS,S/AS01E Vaccine against Malaria in Children 5 to 17 Months of Age

    熱帯熱マラリア原虫によるマラリアは,世界中で疾病や死亡の重大な原因となっているが,有効なワクチンはない.ケニアとタンザニアの小児 894 例を対象としたこの無作為化二重盲検第 2 相試験では,臨床マラリアの予防において,AS01E アジュバントを用いた RTS,S マラリアワクチンの補正後の有効率は,52.9%であることが示された.

  • 乳児に対するマラリアワクチン RTS,S/AS02D の安全性と免疫原性
    Safety and Immunogenicity of RTS,S/AS02D Malaria Vaccine in Infants

    タンザニアの乳児 340 例を対象としたこの二重盲検試験では,マラリアワクチンの候補である RTS,S/AS02D ワクチンと B 型肝炎ワクチンの比較が行われた.乳児への標準的ワクチンの同時接種についても検討された.安全性に問題は認められず,同時接種したワクチン抗原(ジフテリア,破傷風,百日咳,インフルエンザ菌 b 型)に対する免疫応答は非劣性であった.

  • 小児における抗マラリア薬併用療法
    Combination Antimalarial Therapies in Children

    パプアニューギニアにおける小児マラリア患者の治療に対する 4 つのレジメン(クロロキン+スルファドキシン+ピリメタミン療法,アーテスネート+スルファドキシン+ピリメタミン療法,ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン療法,アーテメーター+ルメファントリン療法)に関するこの非盲検試験では,熱帯熱マラリアに対してはアーテメーター+ルメファントリン療法,三日熱マラリアに対してはジヒドロアルテミシニン+ピペラキン療法がもっとも有効なレジメンであることが明らかにされた.

  • 小児肥満に関連した FTO 遺伝子変異体とエネルギー摂取量の増加
    An Obesity-Associated FTO Gene Variant and Increased Energy Intake in Children

    この研究では,小児を対象に肥満に関連した FTO 遺伝子の変異について遺伝子型決定を行い,サブグループを対象に肥満度,エネルギー消費量,食物摂取量の測定を行った.この変異体はエネルギー消費量の調節には関与していないようではあるが,食物摂取と食物選択をコントロールする役割をもっている可能性がある.

  • 遺伝性大腸腫瘍に対するアスピリンと難消化性でんぷんの効果の比較
    Effect of Aspirin or Resistant Starch on Hereditary Colorectal Neoplasia

    この試験では,リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸癌)患者において,アスピリン,難消化性でんぷんのいずれかが,大腸癌や大腸腺腫の発生に影響を及ぼすかどうかを検討した.いずれの介入も,リンチ症候群における大腸腫瘍の発生率に影響を及ぼさなかった.

CLINICAL PRACTICE

  • 季節性インフルエンザの予防と治療
    Prevention and Treatment of Seasonal Influenza

    それまで健康であった 15 歳の女児が 38.9℃まで発熱し,上気道に軽度のうっ血がみられた.オセルタミビルによる治療が開始されたが,熱は続き,嘔吐するようになった.女児は緊急治療室に搬送され,そこで血圧低下が認められた.集中的な蘇生が試みられたにもかかわらず女児は 12 時間後に死亡した.ウイルス培養により,A 型インフルエンザ(H1N1)感染が確認された.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 血友病,肝細胞癌,難治性出血を呈する男性
    A Man with Hemophilia, Hepatocellular Carcinoma, and Intractable Bleeding

    58 歳の男性が,C 型肝炎感染,肝細胞癌,繰り返される出血のため当院に入院した.男性は血友病による多発性の関節血症のため,幼時期から血液製剤の投与を受けていた.肝細胞癌は入院する 8 ヵ月前に発見されたが,出血があり,第 VIII 因子製剤を用いても凝固検査の結果に改善がみられなかったため,ラジオ波焼灼術を試みることは困難であった.外科手術が行われた.

CLINICAL DECISIONS

  • 前立腺癌
    Prostate Cancer

    この双方向の特集記事では,直腸指診の所見は正常であるが,前立腺特異抗原値が 3 年にわたり上昇している 63 歳の男性の症例を紹介している.ここでは,いずれも正しそうな 3 つの治療選択肢を紹介している.www.nejm.org でそのうちの 1 つに投票することができ,その選択に関するコメントを投稿することもできます.投票結果および寄せられたコメントはウェブサイトに掲載されます.