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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 9, 2009
Vol. 360 No. 15
ORIGINAL ARTICLE
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コントロール不良喘息の治療におけるエソメプラゾールの有効性
Efficacy of Esomeprazole for Treatment of Poorly Controlled Asthma喘鳴の原因となる胃酸の逆流は,一般的に予防可能であると考えられている.この無作為化プラセボ対照試験では,プロトンポンプ阻害薬を投与しても,喘息の増悪頻度は減少しないという結果が得られた.
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健常男性において寒冷条件下で活性化される褐色脂肪組織
Cold-Activated Brown Adipose Tissue in Healthy Menこの研究では,標準的プロトコールおよび PET/CT を用いて,褐色脂肪組織の推定活性を,身体組成とエネルギー代謝との関連で評価した.褐色脂肪組織は,健常男性 24 例中 23 例で寒冷曝露後に検出可能な活性レベルを示したが,適温環境下では検出されなかった.褐色脂肪組織の活性は,安静時代謝率と正の相関を示し,過体重・肥満男性では非肥満男性に比べ有意に低下していた.
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成人における褐色脂肪組織
Brown Adipose Tissue in Adult Humansこの研究では,18F-フルオロデオキシグルコースの PET/CT を用いて,前頸部~胸部に多量の褐色脂肪組織の蓄積を同定した.蓄積は,女性の 7.5%(1,013 例中 76 例)と男性の 3.1%(959 例中 30 例)に認められた.褐色脂肪組織の量は,とくに高齢者の場合体格指数(BMI)と逆相関の関係にあり,成人の代謝における褐色脂肪組織の潜在的役割が示唆される.
BRIEF REPORT
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健常成人における機能的褐色脂肪組織
Functional Brown Adipose Tissue in Healthy Adults褐色脂肪組織は,ヒト新生児では正常体温の維持に関与しているが,健常成人には存在しないと考えられていた.この報告では,代謝活性を示す多量の褐色脂肪組織が存在することを明らかにしている.すなわち,頸部~鎖骨上部の脂肪組織では寒冷誘発性のグルコース取込みが 15 倍に増加しており,生化学的・分子的・形態学的基準においても確認された.
MEDICAL PROGRESS
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心筋炎
Myocarditis心筋炎の予後と治療法は原因によって異なり,通常は,臨床データと血行動態データが,心内膜心筋生検を行うために専門医に紹介する時期の指針となる.この総説は,心筋炎の疑われる症例に対する評価と治療について,実践に役立つ現行のアプローチを紹介している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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発熱,頭痛,発疹,嘔吐を呈する男性
A Man with Fever, Headache, Rash, and Vomiting47 歳の男性が,発熱,頭痛,発疹,嘔吐のため当院に入院した.8 日前に胸膜性胸痛と,手掌と足底以外に斑状丘疹が発現するまで,男性は健康であった.脳脊髄液検査では,白血球数(リンパ球が 70%)と蛋白値が高く,血糖値は正常であった.バンコマイシン,セフトリアキソン,アシクロビルを投与し,さらなる診断検査を実施した.
HEALTH LAW, ETHICS, AND HUMAN RIGHTS
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医薬品適応外使用の推進 ― 変わりゆく規制分野
Shifting Terrain in the Regulation of Off-Label Promotion of Pharmaceuticals1 月に,米国食品医薬品局(FDA)は,医薬品および医療機器の製造会社に対し,製品の承認適応外使用について論じた医学論文のリプリントの配布を認める指針を発表した.著者らは,適応外使用の推進に関する FDA 規制の歴史を概説し,関連する法律的・政策的問題について論じている.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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線維化と心筋梗塞
Fibrosis and Myocardial Infarction心筋梗塞発症時,心筋細胞を保護するとされる蛋白質は,線維化をも促進する可能性がある.