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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 10, 2009
Vol. 361 No. 24

ORIGINAL ARTICLE

  • 鎌状赤血球症に対する同種造血幹細胞移植
    Allogeneic Hematopoietic Stem-Cell Transplantation for Sickle Cell Disease

    重症鎌状赤血球症の成人 10 例に対し,骨髄を破壊しない,新しいプロトコールによる前処置で同種造血幹細胞移植を行った.10 例中 9 例で鎌状赤血球症の症状は消失した.レシピエントに死亡,重篤な有害事象,移植片対宿主病はみられなかった.

  • PCI を受ける患者に対するカングレロール投与による血小板阻害
    Platelet Inhibition with Cangrelor in Patients Undergoing PCI

    この臨床試験では,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける急性冠症候群患者を対象に,血小板阻害薬カングレロールの静脈内投与とクロピドグレルの経口投与を比較した.カングレロールにはクロピドグレルと比べて有益性は認められず,出血の増加と関連していた.この試験ではカングレロールの臨床的優位性は示されなかった.

  • PCI 施行時のカングレロール静脈内投与による血小板阻害
    ntravenous Platelet Blockade with Cangrelor during PCI

    カングレロールは,血小板機能を阻害する静脈内投与型 ADP 受容体阻害薬である.主要エンドポイントとした死亡・心筋梗塞・血行再建について,PCI 施行時に投与するカングレロールにプラセボに対する優越性が認められなかった.しかし,カングレロール群ではステント血栓症と死亡がプラセボ群より少なかったため,著者らは,カングレロールにはさらなる研究を行う価値があることを示唆した.

  • 急性静脈血栓塞栓症に対するダビガトランとワルファリンの比較
    Dabigatran vs. Warfarin for Acute Venous Thromboembolism

    この有効性比較試験では,経口直接トロンビン阻害薬ダビガトランが,静脈血栓塞栓症の再発予防においてワルファリンと同程度に有効であることが示された.出血性の合併症発生率は同程度であった.ダビガトラン療法には,抗凝固療法のモニタリングが必要でないという利点がある.

MECHANISMS OF DISEASE

  • テロメア疾患
    Telomere Diseases

    染色体末端の反復 DNA 構造であるテロメアと,その酵素テロメラーゼに関する研究を行った 3 人の科学者に対して,最近 2009 年ノーベル生理学・医学賞が授与された.テロメアはゲノムを遺伝物質の消失から保護している.この総説では,テロメアの医学的重要性を詳述するとともに,テロメアの消失が原因とみられる疾患群を取り上げる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発作性頭痛と視覚変化を呈する男児
    A Boy with Paroxysmal Headaches and Visual Changes

    男児が発作性頭痛と視覚変化のため,16 歳で小児神経科を初めて受診した.身体診察と神経学的検査は正常で,画像検査では頭蓋内の異常は認められなかった.さまざまな治療にもかかわらず頭痛は持続し,その後 4 年間は,一過性の脱力,意識消失,鈍麻,背部痛を伴った.間欠性の視神経乳頭浮腫が認められた.21 歳時に行った腰椎穿刺では初圧 25 cmH2O で,数時間後に馬尾症候群の症状が発現した.診断手技が行われた.