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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 6, 2009
Vol. 361 No. 6

ORIGINAL ARTICLE

  • 有痛性の骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術の無作為化試験
    A Randomized Trial of Vertebroplasty for Painful Osteoporotic Vertebral Fractures

    この多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験では,1 椎体または 2 椎体に有痛性の骨粗鬆症性骨折を起こした患者を対象に,椎体形成術と偽処置を比較したところ,術後 3 ヵ月,6 ヵ月のいずれの時点でも,全般的な疼痛,身体機能,QOL の改善に差はみられなかった.

  • 骨粗鬆症性脊椎骨折に対する椎体形成術の無作為化試験
    A Randomized Trial of Vertebroplasty for Osteoporotic Spinal Fractures

    骨粗鬆症性椎体圧迫骨折患者を対象としたこの無作為化試験では,疼痛と疼痛に関連した機能障害は,椎体形成術を受けた患者と偽手術を受けた患者で,同等の改善を示した.

  • C 型肝炎の治療におけるリバビリン併用下でのペグインターフェロンα-2b・α-2a の比較
    Peginterferon Alfa-2b or Alfa-2a with Ribavirin for Treatment of Hepatitis C Infection

    遺伝子型 1 型の C 型肝炎患者を対象としたこの無作為化試験では,ペグインターフェロン α-2a,標準用量のペグインターフェロン α-2b,低用量のペグインターフェロン α-2b による治療を比較した.持続陰性化率と有害事象発現率は,3 種のレジメンすべてで同等であった.

  • 人工膝関節置換術後の血栓予防のためのアピキサバンとエノキサパリンの比較
    Apixaban or Enoxaparin for Thromboprophylaxis after Knee Replacement

    この非劣性試験では,膝の大手術後の血栓予防効果について,低分子ヘパリン製剤エノキサパリンの皮下投与と,第 Xa 因子活性阻害薬アピキサバンの経口投与を検討した.アピキサバンの非劣性は統計学的には認められなかったが,アピキサバンの使用は,臨床的に意義のある出血の発生率の低下と関連していた.

CLINICAL PRACTICE

  • 心停止後の神経学的予後
    Neurologic Prognosis after Cardiac Arrest

    55 歳の男性が,公園をジョギング中に倒れた.目撃者が,男性が意識不明で脈がないのを認め,救急車を待つあいだに心肺蘇生を開始した.救急部に到着した時点で心室細動を起こしていた.自発循環は回復されたが,昏睡状態で瞳孔反射がなかった.低体温療法による治療を 24 時間行ったが,依然として意識不明であった.患者の神経学的予後に関してどのような助言をすべきであろうか?

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • ハードな診断
    A Hard Diagnosis

    56 歳の女性が,倦怠感が 4 週間続いたため救急部を受診した.呼吸困難,胸痛,体重減少,悪心,腹痛,血尿,筋肉痛,関節痛はないという.長年にわたり,患者の両腕には周期的に蕁麻疹様の皮疹が生じており,最近では 4 週間前に生じた.病歴で注目すべき点は,自己免疫性甲状腺炎と白斑のみである.

SOUNDING BOARD

  • 医療制度改革 ― 医師のさらなる自由と責任に向けて
    Health Care Reform ― Toward More Freedom, and Responsibility, for Physicians

    今回の“Sounding Board”で著者は,米国において,入院と慢性疾患の管理を補償するための皆保険プールを設立するという,大規模な医療制度改革を提案している.慢性疾患に関わりのない外来診療では,プライマリケア医を中心としたシステムを通じて支払われ,経済的インセンティブ,柔軟性,患者と医療提供者双方の選択が重視されることになる.