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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 27, 2009
Vol. 361 No. 9
ORIGINAL ARTICLE
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医用画像検査による低線量電離放射線被曝
Exposure to Low-Dose Ionizing Radiation from Medical Imaging Procedures医用画像検査の実施が増加している中,この研究では,米国の患者が画像検査により低線量電離放射線にどの程度被曝しているかを評価した.被曝量は高く,CT と核医学イメージングによるものが主であった.平均実効線量がもっとも高かったのは心筋血流イメージングによるものであり,検査のほとんどは外来での実施であった.これらの結果は,画像検査の実施が高線量の被曝につながる可能性があることを示唆している.
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高感度心筋トロポニンアッセイによる心筋梗塞の早期診断
Early Diagnosis of Myocardial Infarction with Sensitive Cardiac Troponin Assaysこの研究では,急性心筋梗塞の診断法として,心筋トロポニンの新しい 4 種類の高感度アッセイと標準的アッセイの比較が行われた.高感度トロポニンアッセイは優れた診断能を有し,とくに心筋梗塞の早期診断に有効であった.
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急性心筋梗塞の早期診断における高感度トロポニンⅠアッセイ
Sensitive Troponin I Assay in Early Diagnosis of Acute Myocardial Infarctionトロポニン I の高感度アッセイを行うことで,急性心筋梗塞の診断のための標準的血清マーカーの診断精度が向上することが明らかになった.胸痛発現後 3 時間以内であっても,トロポニン I の測定により有用な診断情報が得られた.
SPECIAL ARTICLE
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高血圧パラドックス
The Hypertension Paradox2009 年の Shattuck 講演で,Aram Chobanian は,高血圧の認知と治療において,この 60 年間でみられた大きな進歩について述べた.また,認知が進み,治療が進歩しているにもかかわらず未治療高血圧の有病率が増加し続けているという,一見矛盾した事態の原理を説明した.
MECHANISMS OF DISEASE
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インターロイキン-17 と 17 型ヘルパー T 細胞
Interleukin-17 and Type 17 Helper T CellsT 細胞の 3 番目のサブセットである 17 型ヘルパー T(Th17)細胞と,その主要産生サイトカインのインターロイキン-17 は,特定の真菌,細胞外細菌,結核菌に対する防御に不可欠である.慢性炎症や種々の免疫炎症性疾患では,Th17 細胞の制御不良とインターロイキン-17 の産生が顕著である.Th17 細胞が産生したサイトカインに対するモノクローナル抗体について,現在臨床試験で検討されている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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発熱,発疹,リンパ節腫脹を呈する女性
A Woman with Fever, Rash, and Lymphadenopathy56 歳の女性が発熱,発疹,リンパ節腫脹のため入院した.発熱と発疹は,11 週間前にアリに咬まれた直後に発症した.ステロイド薬が奏効したが,入院の 6 週間前にリンパ節腫脹が発現し,その後発熱と発疹が再発した.検査では感染の所見はみられず,リンパ節生検では診断が得られなかった.診断手技が行われた.
SOUNDING BOARD
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臨床試験参加者に対する金銭的関係の開示
Disclosure of Financial Relationships to Participants in Clinical Research著者らは,研究者が試験参加者に金銭的関係を開示するという可能性のある目標について検討し,目標の達成における開示の限界について論じている.著者らは株式に関する利害がとくに問題であり,開示するだけでなく,制限ないし禁止すべきだとしている.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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癌の弱点を探る
Finding the Weakness in Cancer大規模な分子スクリーニングを用いた 2 つの研究により,K-RAS 変異腫瘍の実験的治療に向け,可能性のある標的が得られた.