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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 11, 2010
Vol. 362 No. 10

ORIGINAL ARTICLE

  • 腫瘍関連マクロファージと古典的ホジキンリンパ腫患者の生存期間
    Tumor-Associated Macrophages and Survival in Classic Hodgkin's Lymphoma

    ホジキン病患者の転帰を予測するための,臨床的に意義のあるバイオマーカーは確立されていない.この研究ではそのようなマーカーをみつけるために,遺伝子プロファイリングと免疫組織化学的解析を行った.治療転帰不良と,Reed-Sternberg 細胞の微小環境における CD68+ 細胞数の増加とのあいだに強い相関が認められた.マクロファージのマーカーである CD68 は,ホジキンリンパ腫の診断用検体の免疫組織化学染色により測定でき,従来の国際予後スコアよりも優れていた.

  • 待期的冠動脈造影の低い診断率
    Low Diagnostic Yield of Coronary Angiography

    心臓カテーテル検査に関する全米登録データによると,診断目的で待期的冠動脈造影を実施した患者で閉塞性冠動脈病変が認められたのは 38%のみであり,39%は疾患なしと解釈された.この結果により,待期的冠動脈造影は,患者にかなりの被曝をさせるにもかかわらず,診断率は比較的低いことが示された.

  • 難治性のアタマジラミに対する経口イベルメクチンとマラチオンローションの比較
    Oral Ivermectin versus Malathion Lotion for Difficult-to-Treat Head Lice

    アタマジラミの治療法は限られている.376 家族 812 例を対象としたこの多施設共同クラスター無作為化試験では,アタマジラミの駆除には,経口イベルメクチンが局所マラチオンローションより優れていることが認められた.

  • スタチン投与中の脂質異常症患者における甲状腺ホルモン類似体エプロチロームの使用
    Use of the Thyroid Hormone Analogue Eprotirome in Statin-Treated Dyslipidemia

    この無作為化プラセボ対照二重盲検多施設共同試験では,シンバスタチンまたはアトルバスタチンの投与を受けている高コレステロール血症患者を対象に,血清低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値を低下させる甲状腺ホルモン化合物エプロチロームの安全性と有効性が検討された.エプロチロームの投与により,スタチン系薬剤の投与を受けている患者の LDL コレステロール値が低下した.

MEDICAL PROGRESS

  • 心臓震盪
    Commotio Cordis

    多くは無害と考えられる,意図的でない胸部への非穿通性の鈍的打撃により,肋骨・胸骨・心臓(基礎に心血管疾患がない場合)の損傷なく生じる心室細動と突然死は,心臓震盪として知られている.この総説では,心臓震盪の臨床プロファイル,その基礎にある生理学的機序,予防戦略,そして万一発生した場合に取りうる蘇生処置について情報を提供している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 末梢神経障害と腹水を呈する男性
    A Man with Peripheral Neuropathy and Ascites

    49 歳の男性が腹水のため入院した.4 年前から下肢と手に感覚異常と脱力がみられるようになり,その後困難呼吸と末梢性浮腫,昨年からは霧視,乳頭浮腫,腹水が生じた.その後の画像検査で後腹膜のリンパ節腫大と,脛骨・仙骨の骨溶解像を認めた.診断手技が行われた.

CLINICAL DECISIONS

  • ABIM の資格更新プログラム
    ABIM Maintenance of Certification Program

    この双方向の特集記事では,米国内科専門医認定委員会(ABIM)の無期限の認定を受けているが,資格更新プログラムに参加するかどうかを検討している内科医の事例を紹介する.いずれも正しいと考えられる 2 つの推奨を提示する.あなたならどちらを選択しますか? NEJM.org でそのうちの 1 つに投票することができ,ご自分の選択に関するコメントを投稿することもできます.投票結果および寄せられたコメントはウェブサイトに掲載されます.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 筋萎縮性側索硬化症を改善する
    Ameliorating Amyotrophic Lateral Sclerosis

    神経筋接合部の形成との関連が新たに示された骨格筋の分子経路が,筋萎縮性側索硬化症モデルマウスにおいても関与する可能性が示された.