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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 29, 2010
Vol. 362 No. 17

ORIGINAL ARTICLES

  • 2 型糖尿病における併用脂質低下療法の効果
    Effects of Combination Lipid Therapy in Type 2 Diabetes Mellitus

    心血管イベントリスクが高い 2 型糖尿病患者 5,518 例を対象とした無作為化試験において,全例にシンバスタチンを投与し,フェノフィブラートを投与する群と,プラセボを投与する群のいずれかに割り付けた.平均追跡期間 4.7 年の時点で,主要転帰(非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心血管系の原因による死亡)の発生率に 2 群間で有意差は認められなかった.

  • 2 型糖尿病における強化血圧コントロールの効果
    Effects of Intensive Blood-Pressure Control in Type 2 Diabetes Mellitus

    無作為化試験において,心血管イベントリスクが高い 2 型糖尿病患者 4,733 例が,目標収縮期血圧を 120 mmHg 未満とする治療と,140 mmHg 未満とする治療のいずれかを受けた.平均追跡期間 4.7 年で,主要エンドポイント(非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心血管系の原因による死亡)の発生率に 2 群間で有意差は認められなかった.

  • 習慣流産の女性に対するアスピリンとへパリンの併用投与とアスピリン単独投与の比較
    Aspirin plus Heparin or Aspirin Alone in Women with Recurrent Miscarriage

    原因不明の習慣流産の女性にはアスピリンと低分子ヘパリンが処方されることが多いが,その有用性は明らかにされていない.原因不明の習慣流産の既往がある女性を対象にしたこの無作為化試験では,アスピリン 80 mg と非盲検下でのナドロパリン(2,850 IU)の投与,またはアスピリン単独投与を行っても,プラセボ投与に比べて生児出生率や妊娠転帰に改善はみられなかった.

CLINICAL PRACTICE

  • ヘリコバクター・ピロリ感染
    Helicobacter pylori Infection

    29 歳の男性が,間欠的な心窩部不快感で受診した.体重減少,消化管出血の所見はみられない.アスピリンや非ステロイド系抗炎症薬は使用していないという.ヘリコバクター・ピロリの血清検査は陽性で,オメプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシンの 10 日間の投与を 1 サイクル受けた.6 週間後,男性は同じ症状で再受診した.この患者のさらなる評価・管理をどのように行うべきであろうか?

MEDICAL PROGRESS

  • 膵癌
    Pancreatic Cancer

    膵管腺癌,すなわち膵癌による死亡は,米国では癌関連死亡の第 4 位を占めるが,その原因は依然として明らかにされていない.この総説では,膵癌の解明と管理における最近の進歩をまとめている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 水様性下痢と体重増加不良を呈する女児
    A Girl with Watery Diarrhea and Poor Weight Gain

    生後 18.5 ヵ月の女児が,水様性下痢と体重増加不良のため小児消化器科を受診した.生後 12 ヵ月で慢性の水様性下痢が発現するまで,女児は健康であった.6 ヵ月後,体重は同年齢児の 4 パーセンタイルまで減少した.詳細な便検査,腹部超音波検査,上下部内視鏡検査は正常であった.発汗テストでは境界域と解釈された.診断検査の結果を受け取った.

OCCATIONAL NOTES

  • あるプライマリケア診療の寸見
    A Snapshot from One Primary Care Practice

    ある医師が自身のプライマリケア診療の日常業務について説明し,対面診断以外の患者ケアに関わる膨大な作業を記録している.典型的な 1 日をみると,各医師は 18 人の患者を診察し,24 本の電話をかけ,17 通の電子メールを送信し,31 件の臨床検査・画像検査報告と 14 件のコンサルテーション報告を検証している.