The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 7, 2012
Vol. 366 No. 23

ORIGINAL ARTICLE

  • 多剤耐性肺結核患者に対するデラマニド
    Delamanid for Patients with MDR Pulmonary TB

    多剤耐性結核の治療に関するこの報告では,新規抗結核薬デラマニドを標準レジメンに併用すると,標準レジメンのみの場合と比較して,喀痰培養がより速やかに陰性化することが明らかとなった.

  • 中国における薬剤耐性結核に関する全国調査
    National Survey of Drug-Resistant TB in China

    この調査では,中国における結核の新規発症例の約 6%と,治療歴のある結核症例の約 26%が多剤耐性(MDR)であることが示された.MDR 症例の約 8%は超多剤耐性(XDR)であった.年間発生数は,MDR 結核約 110,000 例,XDR 結核約 8,200 例であった.

  • 基底細胞癌に対するビスモデギブ
    Vismodegib in Basal-Cell Cancer

    基底細胞皮膚癌は,ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性化を特徴とする.2 件の論文により,この経路を活性化させるリガンドの新規経口阻害薬ビスモデギブが,局所進行基底細胞癌・転移性基底細胞癌の患者で際立った効果をもたらすことが示されている.ビスモデギブは,基底細胞母斑症候群患者では新たな病変の発生を防ぐと考えられる.

  • 進行副腎癌に対する治療
    Treatment for Advanced Adrenal Cancer

    まれな薬物抵抗性疾患である副腎癌の患者を対象とした大規模な多国試験において,ミトタンとエトポシド・シスプラチン・ドキソルビシンの併用投与は,ミトタンとストレプトゾシンの併用投与よりも強い抗腫瘍活性を示した.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 「入口にオオカミ」
    A Wolf at the Door

    29 歳の男性が,発熱,寝汗,食欲減退,吸気により増悪する左上腹部痛が 1 週間続いたため受診した.体重減少,咳嗽,呼吸困難,悪心,下痢,発疹,口内炎,関節痛,眼・尿の症状はないという.

PERSPECTIVE

  • 救急部,メディケイド費用,プライマリケアへのアクセス
    Emergency Departments, Medicaid Costs, and Access

    多くの州政府が,メディケイドの支出を削減する方法を模索している.ワシントン州は,「不必要な」受診に対する支払いを拒否することで,受給者による救急部の過剰な利用を抑制するよう提案した.しかし,プライマリケアは,これらの患者にとって利用できない場合が多い.

  • プライマリケアの最新情報
    Primary Care Update

    プライマリケア医の苦労は続くが,政策立案者と保険支払者によってとられた最近の措置により,励まされるかもしれない.その措置では,再編成される医療提供システムのなかでプライマリケア医が果たしうる,基盤的役割に対する認識が向上することを示している.

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 膀胱結石
    Bladder Stone

    膀胱結石

    対麻痺を呈し,フォーリーカテーテルを長期にわたり留置している 76 歳の男性が,発熱で受診した.診察では,ほかに特記すべき所見がなく,血行動態は安定していた.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • 急性虚血肢
    Acute Limb Ischemia

    急性虚血肢

    この論文では,急性虚血肢を呈する患者の,体温,外観,脈拍を含む触診法とドプラーによる評価について概説する.下肢循環を維持する治療戦略を概説している.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 緊急心膜穿刺術
    Emergency Pericardiocentesis

    心タンポナーデ患者の心嚢液を吸引するための緊急心膜穿刺術の施行は,心機能と末梢循環を回復させることができる.このビデオではその処置を実演する.

INTERACTIVE MEDICAL CASE

  • 「暗闇の中の口笛」
    Whistling in the Dark

    「暗闇の中の口笛」

    38 歳の女性に,出産後まもなく,息切れ,発熱,黄色痰を伴う咳嗽が認められた.症状は最初,抗菌薬で消退したが,すぐに乾性咳嗽,喘鳴,息切れを発症した.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.

ANNIVERSARY

  • 癌研究の 200 年
    200 Years of Cancer Research

    癌研究の 200 年

    癌の分野での 200 年にわたる研究と進歩に関するこの総括は,研究における根気と投資の大切さを裏付けている.

  • 向上する
    Getting Better

    向上する

    ドキュメンタリービデオで,NEJM の長い歴史のあいだに起きた,医学の進歩に関する注目すべき 3 つの出来事を検討する.それは研究,臨床診療,患者ケアと,医療が過去 200 年間にいかに向上し続けたかについての報告である.