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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 19, 2012
Vol. 366 No. 3

  • BRAF 阻害による皮膚扁平上皮癌
    Cutaneous Squamous-Cell Cancers with BRAF Inhibition

    BRAF 阻害薬による治療を受けている黒色腫の患者では,ケラトアカントーマの発生率が高い.ほとんどの腫瘍は HRAS に発癌性変異が認められるが,この変異は BRAF 阻害薬の使用以前に起こったと考えられる.動物モデルでは,BRAF 阻害薬に MEK 阻害薬を併用すると二次性腫瘍が阻止された.

    • C 型肝炎ウイルスに対する直接作用型抗ウイルス薬
      Direct-Acting Antiviral Agents for Hepatitis C Virus

      C 型肝炎ウイルス遺伝子型 1 型感染患者でそれまでの治療に反応しなかった 21 例のうち,2 種類の抗ウイルス薬のみを投与した 11 例中の 4 例と,これらの抗ウイルス薬にペグインターフェロン+リバビリンを併用した 10 例中の 9 例において,ウイルス排除(SVR)が得られた.

      • 閉経後の骨密度スクリーニング
        Postmenopausal Bone Mineral Density Screening

        この研究では,正常骨密度(BMD)または骨減少症からの骨粗鬆症への進展に関する解析が行われた.65 歳以上の女性において,骨密度の再スクリーニングまでの推奨間隔は,正常 BMD または軽度の骨減少症の女性で約 15 年,中等度の骨減少症の女性で約 5 年,進行した骨減少症の女性で約 1 年である.

        • 未分化癌における DICER1 の発癌性変異
          Oncogenic Mutations in DICER1 in Primitive Cancers

          未分化癌は,DICER1 にいわゆるホットスポット変異を有する.この変異は,microRNA のプロセシング酵素である DICER1 の機能を変化させる.これらの癌の中には DICER1 のもう一方のアレルに機能喪失変異を有しているものがあることから,変異に基づく腫瘍形成の新たな機序が示唆されている.

          • 短報:甲状腺ホルモン受容体 α の変異
            Brief Report: Thyroid Hormone Receptor Alpha (THRA) Mutation

            全エキソームの塩基配列決定により,顕性の甲状腺機能低下症を呈するが甲状腺ホルモン濃度の境界異常である小児の甲状腺ホルモン受容体 α にヘテロ接合性のナンセンス変異が認められた.そしてそれは,野生型受容体の作用を優性阻害的に阻害する変異蛋白をコードしていた.

          • CURRENT CONCEPTS

            • 冠動脈バイパス術後の認知機能の転帰と神経学的転帰
              Cognitive and Neurologic Outcomes after CABG

              冠動脈バイパス術を受ける患者にとって,脳卒中や認知機能低下などの神経学的に有害な転帰は重大な懸念事項である.手術前の認知障害は,軽度であっても脳血管障害およびリスク上昇のマーカーである可能性がある.

            PERSPECTIVE

            • 苦難を解決する
              Alleviating Suffering 101

              米国医学研究所(IOM)の委員会が,米国では大勢の人が疼痛を抱え,そのための費用もかさむことを明らかにした.同委員会は,急性および慢性の疼痛の軽減は看過されている重大な問題であり,求められる文化の変容には教育が重要であると結論付けている.

            IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

            • 結節性痛風
              Tophaceous Gout

              結節性痛風

              慢性腎不全の 74 歳の女性が下痢と機能障害のため入院した.右示指の中節骨および末節骨に圧痛を伴う柔らかな腫脹が認められた.女性は 1 日にワインを 1 本摂取するという.

            CLINICAL PRACTICE AUDIO

            • 化膿性汗腺炎
              Hidradenitis Suppurativa

              化膿性汗腺炎は,アポクリン腺を有する皮膚に生じる慢性の炎症性疾患で,再発性の小結節,洞管,膿瘍を特徴とする.無作為化試験が少なくデータが限られているため,可能な治療法について再検討する.

            INTERACTIVE MEDICAL CASE

            • 息切れ
              Breathless

              息切れ

              この双方向の特集記事では,乳癌の既往がある 50 歳の女性の症例を紹介する.女性は疲労と息切れで受診した.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.

            • 移植前の遺伝子スクリーニングおよび診断
              Preimplantation Genetic Screening and Diagnosis

              移植前の遺伝子スクリーニングおよび診断

              胚に対する母親からの遺伝的影響と胚の遺伝子の状態を分析する方法はいくつかあり,蛍光 in situ ハイブリダイゼーション,PCR アッセイ,24 染色体一塩基多型アレイ,比較ゲノムハイブリダイゼーションなどがある.