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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
June 16, 2016
Vol. 374 No. 24
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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脳梗塞に対する低用量アルテプラーゼ
Low-Dose Alteplase in Ischemic Stroke急性期脳梗塞に対する低用量アルテプラーゼと標準用量アルテプラーゼの無作為化比較試験において,主要転帰である 90 日の時点での死亡または障害に関して,低用量アルテプラーゼの非劣性は確認されなかった.頭蓋内出血を起こした患者は低用量群のほうが少なかった.
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B 型肝炎ウイルス母子感染予防のためのテノホビル
Tenofovir to Prevent Mother-to-Child HBV TransmissionB 型肝炎ウイルスの母子感染予防は,ウイルス量が 200,000 IU/mL を超える妊娠女性では依然として課題である.中国で行われたこの試験では,ウイルス量が高い妊娠女性を対象に,周産期伝播を抑制するための手段としてテノホビルを評価した.
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ペルー北部における有鉤条虫感染
Taenia solium Transmission in Northern Peru人獣共通感染症は宿主動物に介入することで制御可能である.この報告では,ブタ–ヒトのサイクルへの介入により,ペルーの 1 地域で有鉤条虫(Taenia solium)感染が根絶されたことを示している.このような介入によって,囊虫症による合併症は将来的に減少するであろう.
SPECIAL ARTICLES
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包括的プライマリケアイニシアチブ開始後 2 年の成績
Two-Year Outcomes in the Comprehensive Primary Care Initiativeメディケア・メディケイドサービスセンターは,プライマリケア提供の改善を支援するために,4 年間の包括的プライマリケアイニシアチブを開始した.2 年経過した時点で,診療所のケア提供に変化がみられたが,費用の削減や質の大幅な改善はまだみられていない.
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メディケアの ACO の初期成績
Early Performance of ACOs in Medicare説明責任を果たせる医療機関(ACO)に支出の削減と質の改善のためのインセンティブを与えるメディケア医療費節減共有プログラムに,2012 年に参加した ACO では,加入 1 年目でわずかな支出抑制が達成されたが,2013 年に参加した ACO では,支出抑制は認められなかった.
MEDICINE AND SOCIETY
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倫理と臨床研究
Ethics and Clinical Research50 年前,ヘンリー・ビーチャーは,米国におけるヒト対象研究の重大な問題について警告し,研究者たちに改革を呼びかけた.その後の数十年で研究規制が急増したが,新たな方針や手続きによってジレンマのすべてが解決したわけではない.
PERSPECTIVE
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Wollschlaeger 対 フロリダ州知事訴訟
Wollschlaeger v. Governor of Florida控訴事件で,患者の銃保持に関する医師の言論を規制する法律に異議が申し立てられている.この判決は,医師の言論と,銃器による損傷から患者を守る医師の努力を,州が規制できるかどうかということに対して広範な影響を及ぼす可能性がある.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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黒色表皮腫とインスリン抵抗性
Acanthosis Nigricans and Insulin Resistance27 歳の女性が,2 年前から続く黒色表皮腫,多毛症,無月経で受診した.臨床検査で,インスリンとテストステロンの上昇,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体の存在が認められ,抗核抗体価が 1:64(正常値<1:32)であった.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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消化性潰瘍による消化管出血
Gastrointestinal Bleeding Due to a Peptic Ulcer消化性潰瘍は,多くの場合 Helicobacter pylori または非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の使用に起因し,上部消化管出血を起こす頻度が高い.内視鏡治療,プロトンポンプ阻害薬,H. pylori 除菌治療,NSAID 非使用について述べられている.
NEJM QUICK TAKE
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有鉤条虫感染を根絶する
Eradicating Pork Tapeworm Transmission有鉤条虫(Taenia solium)は,汚染された豚肉を食べたヒトに感染する.幼虫は組織へ移動し,神経囊虫症を引き起こすことがあり,発展途上国における痙攣の主な原因になっている.集団規模で感染を食い止めることはできるであろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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透明性によって薬剤費を削減できるであろうか?
Can Transparency Cut Drug Spending?Ameet Sarpatwari が,企業に研究開発費の開示を要請することで薬剤費を削減しようとする複数の州の法案について論じている.