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January 2, 1997 Vol. 336 No. 1

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経尿道アルプロスタジルによる勃起機能障害の男性の治療
TREATMENT OF MEN WITH ERECTILE DYSFUNCTION WITH TRANSURETHRAL ALPROSTADIL

H. Padma-Nathan and Others

背景

男性の勃起機能障害は一般的にみられる.われわれは,本障害を治療するため,アルプロスタジル(プロスタグランジン E1)を経尿道的に投与する治療法を評価した.

方 法

種々の器官に原因のある慢性的勃起機能障害を有する 27 歳から 88 歳までの男性 1,511 人の二重盲検プラセボ比較試験において,アルプロスタジルを経尿道投与した.診療所において,まず患者に薬剤の 4 用量(125,250,500 および 1,000 μg)までを投与して検査した;十分な反応が得られた患者を無作為割付けして,アルプロスタジルの有効量またはプラセボのいずれかによる治療を自宅で 3 ヵ月間行った.

結 果

診療所での試験のさいに,男性 996 人(65.9%)に性交が可能な勃起を認めた.これらの男性のうち,961 人が自宅治療の結果を 1 回以上報告した;性交が 1 回以上成功したのは,アルプロスタジル治療患者では 461 人中 299 人(64.9%),これに対しプラセボ投与患者では 500 人中 93 人であった(18.6%,p<0.001).平均すると,治療に対して反応する男性では,アルプロスタジルの投与 10 回中 7 回で投与後性交が成功した.アルプロスタジルの有効性は,年齢または血管疾患,糖尿病,手術および外傷などの勃起機能障害の原因にかかわらず同程度であった(プラセボとのすべての比較について p<0.001).もっとも一般的な副作用は軽度の陰茎痛で,これはアルプロスタジル治療後 10.8%に起ったが,疼痛が起ったために試験継続を拒否することはまれであった.低血圧症は,診療所でアルプロスタジル投与を受けた男性の 3.3%に起った.低血圧に関連した症状は自宅ではまれであった.持続勃起または陰茎線維症を起した男性はなかった.

結 論

勃起機能障害の男性では,経尿道アルプロスタジル治療により,診療所での勃起および自宅での性交が認められた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1 - 7. )