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February 13, 1997 Vol. 336 No. 7

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バルーン血管形成術失敗後の血管内人工器官を用いた腎動脈口狭窄の治療
TREATMENT OF OSTIAL RENAL-ARTERY STENOSES WITH VASCULAR ENDOPROSTHESES AFTER UNSUCCESSFUL BALLOON ANGIOPLASTY

U. Blum and Others

背景

経皮経管腎血管形成術は,腎動脈口以外の狭窄の安全かつ有効な治療であるが,腎動脈口狭窄の場合は期待はずれであることが判明した.このため,われわれはバルーン血管形成術の失敗後の重篤な腎動脈口狭窄の治療のために血管内ステントを用いることをプロスペクティブに検討した.

方 法

高血圧症患者 68 人の大動脈内腔から 5 mm 以内に位置する腎動脈狭窄 74 ヵ所に,ステンレス鋼製の血管内人工器官を留置した.患者 20 人が軽度または重度の腎機能障害を示した.ステント留置の適応は,血管形成術後の弾性リコイル(動脈 63 例)または血管形成術後の血管解離(動脈 1 例),または最初成功したバルーン血管形成術後の再狭窄(動脈 10 例)であった.患者を平均 27 ヵ月追跡調査して,血圧および血清中クレアチニンの測定,二重超音波造影術,および動脈内血管造影術を行った.

結 果

すべての患者で最初の手術は成功した.軽度の合併症(局所血腫)が患者 3 人に起ったにすぎなかった;重要な合併症は認められなかった.この手術の 60 ヵ月後においても患者の 84%に最初の閉塞を認めなかった.動脈 74 例中 8 例に血管径の 50%以上の再狭窄を認めた(11%).再治療の結果,二次開存率は 92%であった.患者 11 人に血圧の長期正常化が得られた(16%).血清中クレアチニン濃度は,これまで腎機能障害であった患者においてステント移植が成功した後でも有意に変化しなかった.

結 論

腎動脈ステントの正確な留置は,大きい合併症もなく技術的に可能である.早期および長期結果が良好であったことから,動脈口を含む腎動脈狭窄に対して最初のステント留置が有効な治療であることが示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 459 - 65. )