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July 31, 1997 Vol. 337 No. 5

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結核のリスクが高いアネルギーを有するヒト免疫不全ウイルス感染者におけるイソニアジドの対照臨床試験
A CONTROLLED TRIAL OF ISONIAZID IN PERSONS WITH ANERGY AND HUMAN IMMUNODEFICIENCY VIRUS INFECTION WHO ARE AT HIGH RISK FOR TUBERCULOSIS

F.M. GORDIN AND OTHERS

背景

潜在性結核を有するヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者は,活動性結核発症のリスクが高い.公衆衛生手段として,結核の有病率が高い集団に属する,アネルギーの HIV 感染者に対しては,イソニアジドによる予防的治療が提案されてきた.

方 法

結核感染症の危険因子を有するアネルギーの HIV 感染患者において,6 ヵ月間の予防的イソニアジド治療に関する多施設無作為二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施した.主要エンドポイントは培養によって確認した結核症とした.

結 果

試験は 1991 年 11 月~96 年 6 月に実施した.患者の 90%以上が結核感染症に対する危険因子を 2 個以上有しており,患者のほぼ 75%がマンハッタン島(greater New York City)に住んでいた.平均追跡期間 33 ヵ月後,結核と診断されたのは,プラセボ群では患者 257 人中わずか 6 人,これに対しイソニアジド群では患者 260 人中 3 人であった(リスク比,0.48;95%信頼区間,0.12~1.91;p=0.30).死亡,HIV 疾患の進行または死亡,副作用のいずれに関しても,2 群間に有意差を認めなかった.

結 論

アネルギーであり,潜在性結核感染症の複数の危険因子を有する HIV 感染患者であっても,活動性結核の発症率は低い.この知見は,HIV 感染症とアネルギーを有する高リスク患者が活動性結核に曝されたのでない限り,イソニアジドの予防的投与を支持しない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 315 - 20. )