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August 14, 1997 Vol. 337 No. 7

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結節性リンパ球優位型ホジキン病におけるクローン性
CLONALITY IN NODULAR LYMPHOCYTE-PREDOMINANT HODGKIN'S DISEASE

T. OHNO AND OTHERS

背景

リンパ球-組織球(L&H)細胞は,結節性リンパ球優位型ホジキン病における Reed–Sternberg 細胞の変種で B 細胞系列に属する,というのが一般的な見方である.しかし,L&H 細胞のクローン性に関してはなおも議論が分かれている.

方 法

クローンマーカーとして免疫グロブリン重鎖遺伝子の相補性決定領域 3(CDR3)を用いて,結節性リンパ球優位型ホジキン病患者 5 人の組織切片から顕微鏡技法によって単離した個々の L&H 細胞を調べた.各細胞の重鎖 CDR3 をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅した.産物をゲル電気泳動によって分析し,さらに各患者からの代表的な増幅産物を配列決定した.

結 果

重鎖 CDR3 が関係している L&H 細胞で,クローン集団の存在を示すものが,5 人全員に検出され,3 人ではこれらが優位な集団であった.5 人中 4 人では,クローンを構成する細胞が,組織切片中の異なる結節,同じ腫瘍からの異なる組織片,または同じ患者からの異なるリンパ節に認められた.各クローンの CDR3 配列には,クローン内変異を示すヌクレオチド置換がしばしば含まれた.

結 論

結節性リンパ球優位型ホジキン病では,L&H 細胞のクローン集団が生ずる.ヌクレオチド配列におけるクローン内変異は,重鎖 CDR3 の高度変異がクローン性増殖の中でも絶えず起っていることを示唆する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 459 - 65. )