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April 9, 1998 Vol. 338 No. 15

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加齢,健康のリスク,および累積障害
AGING, HEALTH RISKS, AND CUMULATIVE DISABILITY

A.J. VITA AND OTHERS

背景

健康リスクの低い人は健康リスクの高い人より長く生きる傾向があるが,より長寿になればより大きい障害を伴う可能性があると懸念されている.われわれは,おそらく修正可能な健康リスクが低い人の累積障害が多いか少ないかを明らかにする縦断的な研究を実施した.

方 法

われわれは,1962 年に初回調査を行い(平均年齢,43 歳),その後 1986 年から毎年調査を行っている大学卒業生 1,741 人を調べた.リスクが高い,中等度,および低い層を,喫煙,body-mass index,および運動パターンに基づいて定義した.累積障害は健康調査質問書によって決定し,0~3 までの尺度で採点した.1986~94 年の累積障害(1994 年での平均年齢,75 歳),または死亡を終身障害の尺度とした.

結 果

1962 年または 1986 年において健康リスクが高かった人は,累積障害が健康リスクの低い人の 2 倍であった(障害指数,1.02 対 0.49;p<0.001).結果は,生存者,死亡被験者,男性,および女性について一貫しており,いずれも観察の最後の年および最後の 2 年間において一貫していた.障害の発生は低リスク群では高リスク群と比較して 5 年以上延長された.死亡した低リスク被験者の障害指数は,観察の最後の 1,2 年では高リスク被験者の半分であった.

結 論

成人期中期および後期での喫煙,body-mass index,および運動パターンは,その後の障害の予測因子である.健康習慣のよい人はより長生きするばかりでなく,そのような人では障害はより遅く起り,人生の最期の数年に圧縮される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1035 - 41. )