April 30, 1998 Vol. 338 No. 18
眼皮膚白皮症(ヘルマンスキー–パドラック症候群)の一型の患者の遺伝子欠損と臨床特徴
GENETIC DEFECTS AND CLINICAL CHARACTERISTICS OF PATIENTS WITH A FORM OF OCULOCUTANEOUS ALBINISM(HERMANSKY–PUDLAK SYNDROME)
W.A. GAHL AND OTHERS
ヘルマンスキー–パドラック症候群は,眼皮膚白皮症,セロイドリポフスチンの貯蔵プール欠損,そしてリソソーム蓄積を特徴とし,いくつかの症例では肺線維症および肉芽腫性大腸炎を引き起す.北西部プエルトリコにおいて確認された罹患患者は全員,最近クローニングされた遺伝子 HPS のエクソン 15 における 16-bp の重複がホモ接合である.これらの患者の臨床および検査特徴を,16-bp 重複を有しない患者と比較した.
患者 49 人(プエルトリコ人 27 人とプエルトリコ系でない米国本土の患者 22 人)が,白色症と血小板の濃染顆粒の欠損に基づき,本疾患と診断された.ポリメラーゼ連鎖反応を用いてどの患者が 16-bp 重複を有するかを明らかにした.
プエルトリコ人の患者 25 人が 16-bp 重複に関してホモ接合であったが,非プエルトリコ系患者ではこの変異を有する患者はいなかった.重複を示さない患者と同様,16-bp 重複を有する患者は色素沈着が多様に変化していた.一酸化炭素拡散能が予測値の 80%未満であったのは,重複を有する成人では 16 人中 9 人,しかし有しない成人では 10 人中ゼロであった.16-bp 重複患者 12 人に高解像度コンピュータ断層撮影を行ったところ,8 人に軽微な線維症,1 人に中等度線維症,1 人に重度線維症を認め,そして 2 人に線維症を認めなかった.重複を有しない患者 8 人のコンピュータ断層撮影では,3 人に軽微な線維症を認め,残りの患者では線維症を認めなかった.患者 8 人(各群 4 人)では 3~25 歳のあいだに炎症性腸疾患を発症した.
プエルトリコ人の患者に限って認められる HPS のエキソン 15 における 16-bp 重複は,成人において広範囲の色素沈着と拘束性肺疾患のリスク増加に関連する.