ヘルスケアサービスの利用における性差
SEX DIFFERENCES IN THE USE OF HEALTH CARE SERVICES
C.A. MUSTARD, P. KAUFERT, A. KOZYRSKYJ, AND T. MAYER
ヘルスケアサービスの利用における性差は,人生のいくつかの時期ではかなり大きいことがあり得る.しかし,生殖生物学および死亡率の差がヘルスケアサービスの利用にどの程度影響を及ぼすかは不明である.
広い範囲のヘルスケアサービスに対する皆保険があるカナダ,マニトバ州における 1994~95 年の 1 年間のヘルスケアの年齢および性別ごとの1 人当りの利用を調査した.医師のサービスおよび病院救急治療の管理記録からの情報を用いて,男女被験者によるヘルスケアの利用を次の三つの分類により作表した:性別ごとの疾患に対するケア,試験年のあいだに死亡した人に行われたケア,そしてその他のすべての疾患に提供されたケア.
ヘルスケアの年間 1 人当りの粗利用(カナダドル)は,女性被験者(1,164 ドル)では男性被験者(918 ドル)より大きかった.女性被験者に対するヘルスケア支出の約 22%が,妊娠および出産を含む性別特異的疾患に関連したのに対し,男性被験者では支出の 3%であった.試験期間中に死亡した人によって消費されたのは,男性被験者のヘルスケア支出の推定 14%であったのに対し,女性被験者では支出の 10%であった.性特異的疾患に関連したヘルスケア利用および死亡率の差について補正したあとでは,ヘルスケア支出における男女比は 1.3 から 1.0 に減少した.
ヘルスケア支出は,生殖生物学および男性における高齢特異的死亡率の差を考慮に入れると,男女被験者について同程度である.