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June 11, 1998 Vol. 338 No. 24

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熱性けいれんの子供の長期知的および行動学的転帰
LONG-TERM INTELLECTUAL AND BEHAVIORAL OUTCOMES OF CHILDREN WITH FEBRILE CONVULSIONS

C.M. VERITY AND OTHERS

背景

病院ベースの研究から,熱性けいれんの子供は,その後精神遅滞と行動上の問題がみられると報告されている.対照的に,住民ベースの研究からは,より良好な転帰が報告されている.

方 法

1970 年 4 月のある週に生まれた子供に関する,英国における全国的な住民ベースの研究である「子供の健康と教育研究(Child Health and Education Study)」に登録された子供 14,676 人において,熱性けいれんの子供 398 人を同定した.10 歳時に子供を総合的に評価した.初回の熱性けいれんの前に神経発達障害のあった 16 人,症例が不定型の 1 人を除外し,381 人を対象とした.287 人が単純型熱性けいれん,94 人が複雑型熱性けいれんであった.質問票,標準化テスト,公式テストなどの,学問的発達,知性,行動の指標を用いて,コホートの残りの子供と比較した.

結 果

10 歳の評価時,熱性けいれんの子供の群全体と熱性けいれんを有しない群で有意に異なったのは,学問的発達,知性,行動の指標 102 項目中 4 項目のみであり,偶然による期待値程度であった.単純型熱性けいれんの子供と複雑型熱性けいれんの子供を別々に分析しても,同様の結果であった.熱性けいれんを繰り返す子供の転帰は,それぞれ 1 回のみの子供と同様であった.生後 1 年以内に熱性けいれんを起こした子供は,それより後に起こした子供よりも特別なスクーリングを要する割合が高かったが(67 人中 5 人 [7.5%] 対 265 人中 4 人 [1.5%];p = 0.02),その数は少なかった.

結 論

熱性けいれんの子供は,10 歳時に,学問的進歩,知性,行動に関して,他の子供と同等の成績を示した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1723 - 8. )