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March 5, 1998 Vol. 338 No. 10

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西部アフリカ人における NRAMP1 遺伝子の変化と結核の易感染性
VARIATIONS IN THE NRAMP1 GENE AND SUSCEPTIBILITY TO TUBERCULOSIS IN WEST AFRICANS

R. BELLAMY AND OTHERS

背景

遺伝的要因は結核の易感染性に影響を及ぼす可能性があるが,易感染性を支配する特異的遺伝子は特定されていない.マウスでは,いくつかのマイコバクテリア感染に対する自然抵抗性は,自然抵抗関連マクロファージ蛋白 1(Nramp1)の遺伝子によって影響を受けるが,この遺伝子のヒト相同体である NRAMP1 の結核感染における役割は不明である.われわれは,西アフリカ,ガンビアでの結核の症例対照研究において,NRAMP1 の多形性をタイピングした.

方 法

配列特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびマイクロサテライト分析を用いて,スミア陽性肺結核の成人 410 人(平均年齢,34.7 歳)および同一人種の健常対照者 417 人における NRAMP1 多形性のタイピングを行った.ヒト免疫不全ウイルス感染症患者は除外した.

結 果

四つの NRAMP1 多形性はそれぞれ,結核に有意に関連した.遺伝子のイントロン 4 および 3'' 非翻訳領域における二つの NRAMP1 多形性がヘテロ接合である被験者は,もっとも一般的な NRAMP1 遺伝子型と比較して,結核患者の中でもとくに数が多かった(オッズ比,4.07; 95%信頼区間,1.86~9.12;χ2 = 14.58; p < 0.001).

結 論

NRAMP1 の遺伝的変異は,西アフリカ人における結核の易感染性に影響を及ぼす.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 640 - 4. )