The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

November 19, 1998 Vol. 339 No. 21

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

慢性 C 型肝炎再発の治療に対するインターフェロン α-2b 単独またはリバビリンとの併用
INTERFERON ALFA-2b ALONE OR IN COMBINATION WITH RIBAVIRIN FOR THE TREATMENT OF RELAPSE OF CHRONIC HEPATITIS C

G.L. DAVIS AND OTHERS

背景

インターフェロンαは,慢性 C 型肝炎患者に対する唯一の有効な治療である.患者の 40%がこの療法に対して初期反応を示すが,ほとんどがその後再発する.われわれは,慢性 C 型肝炎の再発に対するインターフェロン単独投与の効果を,インターフェロン+リバビリン経口投与の効果と比較した.

方 法

インターフェロン治療後に再発した慢性 C 型肝炎患者 345 人を調べた.173 人を標準用量の遺伝子組換え型インターフェロンα-2b とリバビリン(体重に応じて 1,000~1,200 mg/日を経口投与)の併用を 6 ヵ月間行う群に,172 人をインターフェロンとプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.

結 果

治療終了時に,血清中の C 型肝炎ウイルス(HCV)RNA が検出限界以下となったのは,インターフェロンとリバビリンを投与した 173 人中 141 人,インターフェロン単独を投与した 172 人中 80 人(82% 対 47%,p<0.001)であった.血清 HCV RNA が治療終了後 24 週間検出限界以下であったのは,併用治療群では 84 人(49%)であったのに対し,インターフェロン群ではわずか 8 人(5%)であった(p<0.001).アラニンアミノトランスフェラーゼ血清濃度の正常値の持続と組織学的改善は,ウイルス学的効果とよく相関した.ベースライン時の血清 HCV RNA 量 2×106 コピー/mL 以下は,いずれの群においても効果がより高いことに関連した.1 型以外のウイルス遺伝子型は,併用療法群においてのみ持続的な効果に関連した.併用療法により,ヘモグロビン濃度は予想される範囲で減少したが,それ以外の安全性プロファイルはインターフェロン単独と同様であった.

結 論

インターフェロンによる治療後に再発した慢性 C 型肝炎患者では,インターフェロンとリバビリン経口投与の併用療法は,インターフェロン単独治療よりよりも,ウイルス学的効果,生化学的効果,組織学的効果が得られる割合が高い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1493 - 9. )