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July 23, 1998 Vol. 339 No. 4

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ライム病に対する組換え型 Borrelia burgdorferi 外表リポ蛋白 A とアジュバントによるワクチン接種
VACCINATION AGAINST LYME DISEASE WITH RECOMBINANT BORRELIA BURGDORFERI OUTER-SURFACE LIPOPROTEIN A WITH ADJUVANT

A.C. STEERE AND OTHERS

背景

ライム病罹患のリスクは,この疾患が風土病である地域では高く,したがって安全かつ有効なワクチンの開発が重要である.

方 法

われわれは,米国でライム病が風土病である地域に住む被験者 10,936 人を含む多施設二重盲検無作為臨床試験を実施した.参加者には,組換え型 Borrelia burgdorferi 外表リポ蛋白 A(OspA)をアジュバントとともに,またはプラセボを,登録時と,登録後 1 ヵ月後および 12 ヵ月後に注射した.ライム病が疑われる症例では,皮膚病変の培養,ポリメラーゼ連鎖反応試験,または血清検査を実施した.無症候性感染症を検出するため,試験参加後 12 ヵ月および 20 ヵ月に血清検査を実施した.

結 果

1 年目,2 回の注射後では,ワクチン群の被験者 22 人とプラセボ群の 43 人が明確なライム病にかかった(p=0.009); ワクチン有効性は 49%であった(95%信頼区間,15~69%).2 年目,3 回の注射後では,ワクチン接種者 16 人とプラセボ接種者 66 人が明確なライム病にかかった(p<0.001);ワクチン有効性は 76%であった(95%信頼区間,58~86%).無症候性感染の予防におけるワクチンの有効性は 1 年目 83%および 2 年目 100%であった.ワクチンの注射により,軽度から中等度の局所または全身反応が起ったが,これは中央値で 3 日間持続した.

結 論

3 回のワクチン注射は,明確なライム病症例または無症候性 B. burgdorferi 感染の大部分を予防した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 209 - 15. )