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July 30, 1998 Vol. 339 No. 5

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グルココルチコイド誘発骨粗鬆症の予防と治療に用いるアレンドロネート
ALENDRONATE FOR THE PREVENTION AND TREATMENT OF GLUCOCORTICOID-INDUCED OSTEOPOROSIS

K.G. SAAG AND OTHERS

背景

骨粗鬆症は長期グルココルチコイド療法の一般的合併症であるが,これに対する確実な予防または回復治療はない.

方 法

われわれは,グルココルチコイド療法を受けている年齢 17~83 歳の男女 477人において,アレンドロネート 2 用量に関する二つの 48 週無作為プラセボ対照試験を実施した.主要評価項目は,ベースラインから 48 週までの腰椎骨密度の平均百分率変化の群間の差とした.副次的転帰は,股関節骨密度の変化,骨代謝の生化学マーカー,新規椎体骨折の発生率とした.

結 果

腰椎の平均(±SE)骨密度は,アレンドロネート 5 mg/日群で 2.1±0.3%増加,10 mg/日群で 2.9±0.3%増加し(p<0.001),プラセボ群では 0.4±0.3%減少した.大腿骨頸部骨密度はアレンドロネート 5 mg/日群で 1.2±0.4%増加,10 mg/日群で 1.0±0.4%増加し(p<0.01),プラセボ群では 1.2±0.4%減少した(p<0.01).転子および全身の骨密度もまた,アレンドロネート治療患者では有意に増加した.これに比例して,新規椎体骨折は,アレンドロネート群(総発生率,2.3%)のほうがプラセボ群(3.7%)より少なかった(相対リスク,0.6;95%信頼区間,0.1~4.4).骨代謝マーカーはアレンドロネート群では有意に減少した(p<0.001).重篤な副作用は 3 群間で差を認めなかったが,アレンドロネート 10 mg 投与群では,上部胃腸管に対する重篤ではない作用がわずかに増加した.

結 論

アレンドロネートは,グルココルチコイド療法を受けている患者の骨密度を増加させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 292 - 9. )