September 10, 1998 Vol. 339 No. 11
軍の女性新兵におけるトラコーマクラミジア感染症
CHLAMYDIA TRACHOMATIS INFECTIONS IN FEMALE MILITARY RECRUITS
C.A. GAYDOS AND OTHERS
女性における無症候性の性器トラコーマクラミジア感染症は,骨盤の炎症性疾患,不妊症,および異所性妊娠につながりかねない.クラミジア蔓延防止プログラムをデザインするために,われわれは,米軍の女性に関する大規模調査を実施した.
1996 年 1 月~1997 年 12 月に,米国陸軍の 50 州の女性新兵 13,204 人の尿検体を,トラコーマクラミジア感染症についてリガーゼ連鎖反応(LCR)法によりスクリーニングした.考えられる危険因子に関する情報は質問票によって得た.多変量解析を用いて,スクリーニングプログラムの基準を特定した.
クラミジア感染症の総有病率は 9.2%で,年齢別では,17 歳の新兵での 12.2%が最高であった.南部 5 州の新兵における有病率は 15%以上であった.以下の危険因子は,クラミジア感染症に独立して関連した:腟性交の経験がある(感染症のオッズ比,5.9),25 歳以下である(オッズ比,3.0),黒人である(オッズ比,3.4),過去 90 日に 1 人以上の性的パートナーがいた(オッズ比,1.4),過去 90 日に新しい性的パートナーができた(オッズ比,1.3),必ずしもコンドームを使用しない性的パートナーが過去 90 日にいた(オッズ比,1.4),性感染症(STD)にかかったことがある(オッズ比,1.2).25 歳以下(今回の標本の 87.9%)を対象としたスクリーニングプログラムにより,感染女性の 95.3%が同定されると考えられた.
軍の女性新兵では,クラミジア感染症の有病率は高い.尿 DNA 増幅アッセイを用いた,25 歳以下の女性新兵をスクリーニングする蔓延防止プログラムは,クラミジアの感染,伝播,およびクラミジア感染症の後遺症を減少させる可能性がある.