The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 9, 1998 Vol. 339 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

歩行が陣痛および分娩に及ぼす影響はない
LACK OF EFFECT OF WALKING ON LABOR AND DELIVERY

S.L. BLOOM AND OTHERS

背景

陣痛時の歩行は患者の不快感を減少させ,転帰を改善する可能性がある.

方 法

活発な陣痛時の歩行が,陣痛の期間,またはその他の母体もしくは胎児の転帰を変化させるか否かを調べる無作為臨床試験を実施した.妊娠 36 週~ 41 週で合併症がなく,活発な陣痛のある女性を,歩行,または歩行なし(通常のケア)に無作為割付けした.歩数計を用いて歩行を定量し,歩行に費やした時間を記録した.

結 果

歩行群に割付けした女性 536 人中,実際に歩いたのは 380 人であった.その平均(±SD)歩行時間は 56 ± 46 分であった.歩行群の女性と通常のケアの群の女性 531 人では,第一期陣痛の期間(両群とも 6.1 時間,p = 0.83),オキシトシンによる陣痛促進の必要性(23% 対 26%,p = 0.25),および麻酔の使用(84% 対 86%,p = 0.59)に有意差はなかった.同様に,鉗子分娩(4% 対 3%,p = 0.35)および帝王切開(4% 対 6%,p = 0.25)を必要とした女性の割合も有意差がなかった.これらの陣痛および分娩の転帰は,初産婦および経産婦のいずれにおいても歩行に無関係であった.乳児の転帰もまた,二つの試験群において同様であった.

結 論

歩行は,活発な陣痛を促進することも損ねることもなく,母体または乳児に対しても有害ではなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 76 - 9. )