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January 21, 1999 Vol. 340 No. 3

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不妊治療における過剰排卵と子宮腔内受精の有効性
EFFICACY OF SUPEROVULATION AND INTRAUTERINE INSEMINATION IN THE TREATMENT OF INFERTILITY

D.S. GUZICK AND OTHERS

背景

ゴナドトロピンによる過剰排卵の誘発と子宮腔内受精は,不妊症の治療でしばしば使用されている.そこで,われわれは,これらの治療法についての大規模無作為比較対照臨床試験を実施した.

方 法

不妊因子が同定できなかった女性と精子に運動能が認められた男性のカップル 932 組について検討を行った.これらのカップルを,子宮頸管内受精,子宮腔内受精,過剰排卵と子宮頸管内受精,または過剰排卵と子宮腔内受精の治療に無作為に割り付けた.妊娠が成立しなかった場合には,これらの治療を 4 サイクル継続した.

結 果

妊娠率は,過剰排卵と子宮腔内受精の治療を受けた群の 231 組(33%)が,子宮腔内受精群の 234 組(18%),過剰排卵と子宮頸管内受精の治療を受けた群の 234 組(19%),あるいは子宮頸管内受精群の 233 組(10%)よりも高かった.層別した離散時間による Cox の比例ハザードモデルの解析から,過剰排卵と子宮腔内受精の治療を受けた群のカップルの妊娠のしやすさは,子宮頸管内受精群の 3.2 倍(95%信頼区間:2.0~5.3),子宮腔内受精群の 1.7 倍(95%信頼区間:1.2~2.6)であったことが証明された.子宮腔内受精群と,過剰排卵と子宮頸管内受精の治療を受けた群のカップルの妊娠のしやすさは,子宮頸管内受精群のカップル約 2 倍であった.

結 論

不妊のカップルにおいて最終的に妊娠にいたる可能性は,過剰排卵の誘発と子宮腔内受精による治療が,子宮頸管内受精の 3 倍,過剰排卵と子宮頸管内受精の治療や子宮腔内受精の単独治療の 2 倍である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 177 - 83. )