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January 28, 1999 Vol. 340 No. 4

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メトトレキサート投与中の慢性関節リウマチ患者を対象としたエタネルセプト(組換え腫瘍壊死因子受容体:Fc 融合蛋白)の試験
A TRIAL OF ETANERCEPT, A RECOMBINANT TUMOR NECROSIS FACTOR RECEPTOR:Fc FUSION PROTEIN FOR RHEUMATOID ARTHRITIS RECEIVING METHOTREXATE

M.E. WEINBLATT AND OTHERS

背景

慢性関節リウマチでメトトレキサートの治療を受けた患者は,多くの場合病態は改善するがリウマチは依然として活動性のままである.本試験は,可溶性の腫瘍壊死因子受容体 (p75):Fc 融合蛋白(TNFR:Fc)であるエタネルセプトのメトトレキサート療法への追加が,メトトレキサートの治療を受けているにもかかわらず慢性関節リウマチが持続したままの患者に付加的な利益を与えるかどうかを確かめるために実施した.

方 法

1 週当りの用量を 15~25 mg(または,高用量投与に耐えられない患者には 1 週当り 10 mg 程度の低用量)に固定しメトトレキサート療法を最低 6 ヵ月間実施したにもかかわらず活動性の慢性関節リウマチが持続していた 89 例の患者を,24 週間の二重盲検試験において,メトトレキサートを投与しながら 1 週間に 2 回,エタネルセプト(25 mg)またはプラセボのいずれかを皮下投与するように無作為に割り付けた.臨床反応の第一次評価尺度は,米国リウマチ協会(American College of Rheumatology)の基準によって,24 週目のリウマチの活動性に関する評価が 20%改善(ACR 20)することであった.

結 果

メトトレキサート療法にエタネルセプトを追加すると,速効性でしかも持続性の改善が得られるという結果になった.24 週目に ACR 20 の基準を満足していたのは,メトトレキサートにエタネルセプトを併用投与された患者の 71%と,メトトレキサートにプラセボを併用投与された患者の 27%であった(p<0.001); ACR 50(50%改善)の基準を満足していたのは,メトトレキサートにエタネルセプトを併用投与された患者の 39%と,メトトレキサートにプラセボを併用投与された患者の 3%であった(p<0.001).メトトレキサートにエタネルセプトを併用投与された患者では,リウマチの活動性に関するすべての評価項目において有意に優れた治療成績が得られた.エタネルセプトと因果関係があった唯一の有害イベントは軽度の投与部位の反応であったが,このエタネルセプトとの因果関係が認められた有害イベントのために試験を中止した患者はいなかった.

結 論

持続性の活動性慢性関節リウマチの患者において,エタネルセプトとメトトレキサートの併用療法は安全で忍容性が高く,メトトレキサートの単剤療法よりも有意に優れた臨床上の有益性を提供するものであった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 253 - 9. )