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August 19, 1999 Vol. 341 No. 8

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院外心停止に対する標準心肺蘇生法と積極的加圧–減圧蘇生法との比較
A Comparison of Standard CPR and Active Compression–Decompression Resuscitation for Out-of-Hospital Cardiac Arrest

P. PLAISANCE AND OTHERS

背景

われわれは,これまでに,院外心停止後の短期生存が,標準心肺蘇生法(CPR)よりも積極的加圧–減圧 CPR で良好であったことを観察している.そこで,今回の試験では,1 年生存に対する積極的加圧–減圧法の効果について評価した.

方 法

フランスのパリ首都圏あるいはティオンヴィーユで心停止を起した患者を,心停止がその月の偶数日と奇数日のどちらに起ったかによって,標準 CPR(377 例)または積極的加圧–減圧 CPR(373 例)のどちらかの蘇生法に割り付けた.なお,これらの心停止患者の 80%以上に不全収縮が認められた.主要エンドポイントは 1 年生存であった.副次的エンドポイントは,神経学的障害を伴わない退院までの生存率および神経学的転帰であった.

結 果

積極的加圧–減圧 CPR を受けた患者では,神経学的障害を伴わずに退院した割合(6% 対 2%,p=0.01)と 1 年生存率(5% 対 2%,p=0.03)のどちらもが,標準 CPR を受けた患者よりも有意に高かった.1 年間生存した患者は,その全例が心停止を目撃されていた.また,これらの 1 年生存患者では,積極的加圧–減圧群の 17 例中の 9 例と標準群の 7 例中の 2 例の各患者において,心停止の初期に,不全収縮あるいは脈のない電気的活性が認められた.神経学的状態が心停止前の状態に戻ったのは,積極的加圧–減圧 CPR を受けた 17 例の生存者では 12 例であったのに対して,標準 CPR を受けた 7 例の生存者では 3 例であった(p=0.34).

結 論

高度救命救急療法中に行われた積極的加圧–減圧 CPR が,院外での心停止患者の長期生存率を有意に改善させた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 569 - 75. )