The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 1, 2001 Vol. 344 No. 9

ヒト免疫不全ウイルス感染あるいはその危険性に曝されている女性におけるヒトヘルペスウイルス 8 の血液および性行為による伝播
Blood-Borne and Sexual Transmission of Human Herpesvirus 8 in Women with or at Risk for Human Immunodeficiency Virus Infection

M.J. CANNON AND OTHERS

背景

ヒトヘルペスウイルス 8(HHV-8)は,カポジ肉腫の原因病原体であり,同性愛の男性間では性行為によって伝播されるが,女性間での伝播はほとんどわかっていない.HHV-8 は血液中に検出されるが,血液に起因した伝播を示す明らかな根拠は得られていない.

方 法

ボルチモア,デトロイト,ニューヨーク,およびロードアイランド州プロヴィデンスに居住している女性で,リスクの高い性行動あるいは薬物使用の経験があると報告した 1,295 例において,HHV-8 感染の危険因子を同定した.HHV-8 の血清学的検査は,2 種類の酵素免疫測定法(ELISA 法)にて行った.

結 果

単変量解析では,HHV-8 が,黒人,スペイン系の民族的背景,低レベルの教育程度,および梅毒,ヒト免疫不全ウイルス(HIV),B 型肝炎ウイルス(HBV),あるいは C 型肝炎ウイルス(HCV)への感染と関連していることが示された.HHV-8 の血清陽性化のリスクは,薬物注射の頻度が増加するにつれて上昇していた(p < 0.001); 薬物を連日使用していた女性の HHV-8 の血清陽性率は,薬物注射の経験がまったくなかった女性の 3 倍であった.性行為による伝播のリスクが低かった女性の HHV-8 の血清陽性率は,薬物注射の経験がまったくなかった女性では 0%であったのに対して,薬物注射の経験があった女性では 36%であった(p < 0.001).しかしながら,この薬物注射と HHV-8 感染との関連は,HBV 感染や HCV 感染との関連ほど強いものではなかった.多変量解析からは,HHV-8 の血清陽性化の独立した予測因子は,HIV 感染(オッズ比,1.6; 95%信頼区間,1.1 ~ 2.2),梅毒感染(オッズ比,1.8; 95%信頼区間,1.1 ~ 2.8),および連日の薬物注射(オッズ比,3.2; 95%信頼区間,1.4 ~ 7.6)などであることが示された.

結 論

今回検討した女性における HHV-8 感染の危険因子は,薬物注射および性的活動と相関関係のある因子の両方であった.HHV-8 感染と薬物注射とのあいだに認められた独立した関連は,HBV,HCV,あるいは HIV の伝播にみられるほど確率が高いものではないが,HHV-8 も注射針の共有によって伝播されるということを示している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 637 - 43. )