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July 19, 2001 Vol. 345 No. 3

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トルコにおける多剤耐性結核の治療
The Treatment of Multidrug-Resistant Tuberculosis in Turkey

K. TAHAOGLU AND OTHERS

背景

トルコのイスタンブールにある,われわれの医療センターで治療を受けた多剤耐性結核の連続した 158 例の患者について,その治療結果の評価を行った.

方 法

合計で,女性が 21 例,男性が 137 例の患者(年齢範囲,15~68 歳)が,1992 年 3 月~1999 年 10 月の期間に多剤耐性結核の治療を受けた.これらの患者がすでに投与を受けていた抗結核薬は平均で 5.7 剤で,これらの患者が感染していた結核菌は平均で 4.4 剤の薬剤に耐性を獲得していた.これらのすべての患者は,有効と考えられた薬剤を少なくとも 3 剤は投与された;この治療は,菌培養が陰性化してから,最低でも 18 ヵ月間継続し,第一選択薬が存在しない場合には最低 24 ヵ月間にわたって継続した.

結 果

試験中に投与した平均薬剤数は 5.5 剤(範囲,3~9 剤)であった.外科的切除を受けた患者は 36 例であった.有害作用の発現によって 1 剤以上の薬剤を中止するにいたった患者は 62 例(39%)であった.菌培養の陰性化は,150 例(95%)の患者において,平均で 1.9 ヵ月後(範囲,1~9 ヵ月後)に得られた.全体の治療成功率は 77%で,78 例(49%)の患者が治癒し,43 例(27%)の患者が治癒したと考えられた.治療が失敗した患者は 13 例(8%)であった.7 例(4%)が死亡した.また,治療を完了できなかった患者は 17 例(11%)であった.治療不成功という転帰に終わった患者の 38%は,5 剤を超える薬剤に耐性化を示した結核菌に感染していた.ステップダウン・ロジスティック回帰分析からは,治療成功の転帰は,年齢が若いこと(p = 0.013)と,オフロキサシンの前治療を受けていないこと(p = 0.005)と独立した関連が認められた.

結 論

多剤耐性結核のほとんどの患者は,適切な強力治療レジメンを用いることによって治癒可能である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 170 - 4. )