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August 30, 2001 Vol. 345 No. 9

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院外でのてんかん様状態の治療におけるロラゼパム,ジアゼパム,およびプラセボの比較
A Comparison of Lorazepam, Diazepam, and Placebo for the Treatment of Out-of-Hospital Status Epilepticus

B.K. ALLDREDGE AND OTHERS

背景

院外でのてんかん様状態に対して,救命救急士によるベンゾジアゼピンの投与が,有効かつ安全な治療であるのかどうかは明らかではない.

方 法

院外でのてんかん様状態の治療において,救命救急士によって静脈内投与されたベンゾジアゼピンの評価を行うために,無作為二重盲検試験を実施した.持続性(5 分間以上持続)あるいは反復性の全身痙攣性発作が現れた成人に,ジアゼパム(5 mg),ロラゼパム(2 mg),またはプラセボが静脈内投与された.必要な場合には,同一の投与がもう一度行われた.

結 果

組み入れられた 205 例の患者のうち,66 例がロラゼパム,68 例がジアゼパム,71 例がプラセボの投与を受けた.救急部に到着したときには,プラセボ投与患者(21.1%)よりもロラゼパム(59.1%)あるいはジアゼパム(42.6%)による治療患者の多くで,てんかん様状態が終止していた(p = 0.001).共変量による補正後の,プラセボ群に対するロラゼパム群の,到着時までにてんかん性様状態が終止するオッズ比は,4.8(95%信頼区間,1.9~13.0)であった.ジアゼパム群に対するロラゼパム群のオッズ比は 1.9(95%信頼区間,0.8~4.4),プラセボ群に対するジアゼパム群のオッズ比は 2.3(95%信頼区間,1.0~5.9)であった.試験治療実施後の呼吸器系あるいは循環器系の合併症の発生率は,ロラゼパム群が 10.6%,ジアゼパム群が 10.3%,プラセボ群が 22.5%であった(p = 0.08).

結 論

ベンゾジアゼピンは,成人の院外でのてんかん様状態に対して救命救急士によって投与されたときに,安全かつ有効である.ロラゼパムは,ジアゼパンよりも優れた治療法であるようだ.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 631 - 7. )