September 27, 2001 Vol. 345 No. 13
前立腺癌のアンドロゲン除去療法中における骨喪失を予防するためのパミドロン酸
Pamidronate to Prevent Bone Loss during Androgen-Deprivation Therapy for Prostate Cancer
M.R. SMITH AND OTHERS
性腺刺激ホルモン放出ホルモン作用薬による治療は,前立腺癌の男性において,骨塩密度を低下させ,骨折のリスクを上昇させる.われわれは,性腺刺激ホルモン放出ホルモン作用薬の治療を受けている男性を対象として,骨粗鬆症の予防についての対照比較試験を実施した.
48 週間の非盲検試験において,進行または再発の前立腺癌で,骨転移の認められない男性 47 例を,リュープロリド(leuprolide)の単独投与またはリュープロリドとパミドロン酸(60 mg を 12 週ごとに静脈内投与)の併用投与のどちらかに,無作為に割付けた.腰椎および近位大腿骨の骨塩密度を,二重エネルギー X 線吸収法によって測定した.腰椎の海綿骨の骨塩密度は,定量コンピュータ断層撮影法によって測定した.41 例の男性が試験を完了した.
リュープロリド単独による治療を受けた男性では,平均(±SD)骨塩密度が,腰椎では 3.3±0.7%減少,転子では 2.1±0.6%減少,股関節全体では 1.8±0.4%減少し,腰椎の平均海綿骨の骨塩密度が 8.5±1.8%減少した(それぞれの試験開始時の値との比較で,p<0.001).これとは対照的に,リュープロリドとパミドロン酸の併用による治療を受けた男性では,どの骨格部位においても,平均骨塩密度の有意な変化は認められなかった.48 週目の時点における骨塩密度の平均変化では,腰椎(p<0.001),転子(p=0.003),股関節全体(p=0.005),および腰椎の海綿骨(p=0.02)において,2 群間に有意差が認められた.
パミドロン酸は,前立腺癌に対して性腺刺激ホルモン放出ホルモン作用薬で治療を受けている男性において,股関節および腰椎の骨喪失を予防する.