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April 11, 2002 Vol. 346 No. 15

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米国における病院の手術件数と術後死亡率
Hospital Volume and Surgical Mortality in the United States

J.D. BIRKMEYER AND OTHERS

背景

病院の手術実施件数と術後死亡率とのあいだに反比例関係があることを多くの研究が示唆しているが,種々の手術手技における,病院の手術件数の相対的重要度については議論がある.

方 法

米国メディケア請求データベースと,全国入院患者標本(the Nationwide Inpatient Sample)の情報を用いて,1994~99 年の 6 種類の心臓血管手術と 8 種類の主な癌切除(手術総数 250 万件)に関連した死亡率を検討した.回帰法を用いて,病院の手術件数(1 年間に実施した手術の総数)と死亡率(入院中または 30 日以内)の関係を記述し,患者特性に関して補正した.

結 果

14 種類すべての手術に関して,病院の手術件数の増加に伴い死亡率が減少した.しかし,手術件数の相対的重要度は,手術の種類によってかなり異なっていた.手術件数が非常に少ない病院と手術件数が非常に多い病院の,補正した死亡率の絶対差は,12%以上(膵臓切除の場合,16.3% 対 3.8%)からわずか 0.2%(頸動脈内膜切除の場合,1.7% 対 1.5%)の範囲にわたっていた.手術件数が非常に少ない病院と手術件数が非常に多い病院の,補正した死亡率の絶対差は,食道切除と肺切除の場合は 5%以上,胃切除,胆嚢切除,未破裂の腹部動脈瘤の治療,大動脈または僧帽弁の置換の場合は 2~5%,冠状動脈バイパス移植,下肢のバイパス術,結腸切除,葉切除,腎切除の場合は 2%未満であった.

結 論

近隣の病院の手術の質に関する他の情報がない場合,特定の心臓血管手術または癌手術を受ける予定のメディケア患者は,手術件数の多い病院を選ぶことにより,手術による死亡のリスクを有意に低下させることができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 1128 - 37. )