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February 21, 2002 Vol. 346 No. 8

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意義不明単クローン性高ガンマグロブリン血症の予後に関する長期研究
A Long-Term Study of Prognosis in Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance

R.A. KYLE AND OTHERS

背景

意義不明単クローン性高ガンマグロブリン血症(MGUS)は,50 歳以上の 2%に及ぶ人に発症する.病態進行の信頼できる予測因子は確認されておらず,予後に関する情報も限られている.

方 法

1960~94 年にメイヨークリニック(the Mayo Clinic)で MGUS と診断されたミネソタ州南東部在住の患者 1,384 例を同定した.主要エンドポイントは多発性骨髄腫またはその他の形質細胞癌への進行とした.

結 果

11,009 人-年の経過観察期間中,患者 1,384 例中 115 例で,MGUS が多発性骨髄腫,IgM リンパ腫,原発性アミロイドーシス,マクログロブリン血症,慢性リンパ性白血病,または形質細胞腫に進行した(進行の相対リスクはそれぞれ,25.0,2.4,8.4,46.0,0.9,8.5).アイオワ州の「調査,疫学および最終結果(Surveillance, Epidemiology, and End Results : SEER)プログラム」の白人集団と比較すると,これらの患者における進行の全体的な相対リスクは 7.3 であった.別の 32 例の患者では,単クローン性蛋白濃度が 3 g / dL 以上に増加したか,または骨髄中の形質細胞の割合が 10%以上に増加した(くすぶり型多発性骨髄腫)が,明らかな骨髄腫や関連疾患への進行は認められなかった.進行の累積確率は 10 年間で 12%,20 年間で 25%,25 年間で 30%であった.初期の血清中単クローン性蛋白濃度が,20 年間の病態進行の有意な予測因子であった.

結 論

MGUS が多発性骨髄腫または関連疾患に進行するリスクは,1 年当り約 1%である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 564 - 9. )