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December 5, 2002 Vol. 347 No. 23

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再発性持続性の心房細動を有する患者における心拍コントロールと調律コントロールの比較
A Comparison of Rate Control and Rhythm Control in Patients with Recurrent Persistent Atrial Fibrillation

I.C. VAN GELDER AND OTHERS

背景

洞調律の維持は,心房細動患者の主な治療目標である.しかし,心房細動の再発と抗不整脈薬の副作用により,洞調律の有益性が相殺される.われわれは,心房細動の治療に関して,心室拍動のコントロールが,洞調律の維持に比べて劣ってはいないという仮説を立てた.

方 法

電気的除細動を過去に行った持続性心房細動患者 522 例を,心拍コントロールまたは調律コントロールを目的とした治療に無作為に割付けた.心拍コントロール群の患者は,経口抗凝固薬と心拍数を低下させる薬剤の投与を受けた.調律コントロール群の患者は,連続して電気的除細動を受け,抗不整脈薬と経口抗凝固薬の投与を受けた.エンドポイントは,心血管性の原因による死亡,心不全,血栓塞栓症合併,出血,ペースメーカーの植込み,重篤な薬剤の有害作用の組み合せとした.

結 果

平均(±SD)2.3±0.6 年後,調律コントロール群 266 例の 39%が洞調律を得たが,心拍コントロール群 256 例では 10%であった.主要エンドポイントは心拍コントロール群の 44 例(17.2%),調律コントロール群の 60 例(22.6%)に認められた.主要エンドポイントの絶対差についての 90%信頼区間(両側)の上限は,0.4%であった(事前に規定した非劣性規準は 10%以下).主要エンドポイントのそれぞれの項目の分布は,心拍コントロール群と調律コントロール群でほぼ同じであった.

結 論

死亡と心血管性の原因による障害の予防に関して,心拍コントロールは,調律コントロールに比べて劣ってはおらず,電気的除細動後に持続性心房細動を再発している患者にとっては,適切な治療法である可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1834 - 40. )