The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 29, 2002 Vol. 347 No. 9

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

早産児における慢性肺疾患予防のための高頻度振動換気法
High-Frequency Oscillatory Ventilation for the Prevention of Chronic Lung Disease of Prematurity

A.H. JOHNSON AND OTHERS

背景

超早産児の呼吸補助に関し,従来の人工換気法と比べると,高頻度振動換気法の安全性と有効性に関しては,いまだ確定されていない.われわれは,高頻度振動換気法による早期介入が,在胎齢 28 週以下の新生児における死亡率と慢性肺疾患発症率を低下させるかどうかを検討するため,多施設共同臨床試験を実施した.

方 法

在胎週数 23~28 週の早産児を,出生後 1 時間以内に従来の換気法または高頻度振動換気法のいずれかに無作為に割付けた.無作為化は,施設ごとおよび在胎齢別(23~25 週または 26~28 週)に層別化して行った.

結 果

新生児計 400 例は高頻度振動換気法に,397 例は従来の換気法に割付けられた.複合主要転帰(死亡または慢性肺疾患,最終月経後 36 週目に診断)は,高頻度振動換気群では 66%に,従来換気群では 68%にみられた(高頻度振動換気群の相対リスク 0.98;95%信頼区間 0.89~1.08).死亡または慢性肺疾患をきたした新生児の割合は,各在胎週数群でほぼ同等であった.両治療群において,治療の失敗は新生児の 10%で起った(高頻度振動換気群の相対リスク 0.99;95%信頼区間 0.66~1.50).重篤な脳損傷や換気遺漏(気胸,縦隔気腫,皮下気腫)など他の副次的転帰指標でも,2 群間に有意差はみられなかった.

結 論

高頻度振動換気法と従来の換気法から得られた成績では,超早産児における肺疾患の早期治療において有意差はみられなかった.長期効果の評価には,さらなる追跡が必要である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 633 - 42. )