January 9, 2003 Vol. 348 No. 2
原発性高血圧患者のネフロン数
Nephron Number in Patients with Primary Hypertension
G. Keller, G. Zimmer, G. Mall, E. Ritz, and K. Amann
ネフロン数の減少が,原発性高血圧発症の要因の 1 つとして提唱されている.
この仮説を検証するため,三次元立体解析法を用いて,原発性高血圧または左室肥大(あるいはその両方)の既往および腎細動脈病変を有する中年の白人患者 10 例(年齢 35~59 歳)の糸球体の数と体積を,性別,年齢,身長および体重をマッチさせた正常血圧者 10 例と比較した.20 例の被験者はすべて,事故で死亡していた.
高血圧患者は,マッチさせた正常血圧対照者と比較して,腎臓 1 個当りの糸球体数が有意に少なかった(中央値 702,379 対 1,429,200).また,高血圧患者は対照者に比べて,糸球体の体積が有意に大きかった(中央値 6.50×10-3 mm3 対 2.79×10-3 mm3;P<0.001)が,萎縮した糸球体はほとんどなかった.
このデータは,原発性高血圧の白人患者ではネフロン数が少ないという仮説を支持している.